■悲しい&衝撃のエンディング『アルバートオデッセイ』
最後に紹介するのは、1993年にサンソフトより発売されたスーパーファミコン用シミュレーションRPG『アルバートオデッセイ』のエンディング。
システムはシミュレーションRPG風で、町や城での移動がRPGのようになっていて、フィールドやダンジョンがシミュレーションRPGとなっている、珍しいゲーム性である。
音楽や、キャラクターの動きも良く、システム的にも独特かつ楽しい良作。しかし、エンディングに関しては、当時から賛否を集めてきた。
物語は、世界征服を企む魔術師「オスワルド」を、王族であるアルバート一行が倒しに行くというオーソドックスなものだ。ヒロインのソフィアもかわいく、親友のノイマンも、いい感じのお調子者キャラである。
エンディングでは、オズワルド、そして魔王を倒して一件落着……といった展開になるかと思われたのだが、最後の最後でノイマンが何者かの攻撃により一撃死。その様子を見た主人公が町の外へと急行すると、倒したはずの魔王が、なぜか大量に増殖して町を囲んでいる。そして、ヒロインの叫びでホワイトアウトしスタッフロールが流れるという、凄まじいどんでん返しのバッドエンドとなるのだ。
なぜか復活している敵たち、そして唐突なゲーム終了と、衝撃度はかなり高いが、初期から仲間になっているノイマンが唐突に死ぬこと。アルバートとソフィアも、無事ではいられないだろうといった、ハッピーエンドからの急転落は、プレイヤーを深い悲しみに包むこととなった。
『天地創造』には想像の余地があり、『ゼルダの伝説夢をみる島』は、マリンが島の外へ出てみたいと望んでいて、広い世界に鳥として転生したという真エンディングがある。『アルバートオデッセイ』にはマイルドになった続編がある。
それぞれ救いはあるものの、やはり、エンディングを見直すと悲しくなってしまう。そんな3作品であった。