■『西部警察』にも出演した二代目「バルイーグル」
一方、“二代目バルイーグル”の五代高之はもともと本名で俳優活動をしていたが、オーディションに合格したことで石原プロモーション入りした人物だ。かつて石原裕次郎が映画『栄光への5000キロ』(1965年)で演じた役名「五代高行」をアレンジした芸名を与えられた。
そして、1979年10月より、石原裕次郎、渡哲也、寺尾聰、舘ひろしらとともに石原プロ制作の大型刑事ドラマ『西部警察』(テレビ朝日系)の第一話よりレギュラー出演。兼子仁(通称:ジン)という“大門軍団”最年少の刑事を演じた。知名度と経験値をアップするビッグチャンスを手に入れたのだ。
同一世界を描いたドラマとして途切れずに以後5年間続く『西部警察』シリーズだが、なぜか五代高之の出番は短かった。“石原慎太郎の推薦”で石原プロ入りした後輩俳優・御木裕と入れ替わるように、番組開始1年で早々に殉職するレギュラー刑事となってしまうのだ。
石原プロの本陣から離れた五代にとって、新しいチャンスが『太陽戦隊サンバルカン』への主役としての途中参加だった。新バルイーグルには、五代の剣道のキャリアを生かし、“剣の達人”という新設定が設けられた。
『太陽戦隊サンバルカン』終了直後、五代はイメージ払拭を狙ってか、にっかつロマンポルノに出演。その後も多数の作品に出演し続け、現在まで長い俳優活動を続けている。また、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011~12年)の最終話では、30年ぶりに飛羽高之を演じ、サンバルカンファンを喜ばせる一幕もあった。
このように、2人のバルイーグルはいずれも、日本映画界が生んだ大スターと師弟関係にあるのだった。加山雄三と石原裕次郎は、昭和の時代に“太陽”に例えられることもあった。主役が交代した『太陽戦隊サンバルカン』には、両者のDNAが注がれているのである。