3月3日に第1話が放送された、『スーパー戦隊』シリーズ第48作目『爆上戦隊ブンブンジャー』は、ブンレッド、ブンブルー、ブンピンクの3人編成のスタートとなった。
過去を振り返れば『超獣戦隊ライブマン』(1988~89年)、『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002~03年)、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』(2007~08年)、『特命戦隊ゴーバスターズ』(2012~13年)など、3人編成で始まった作品は他にも存在する。
ただし、いずれも途中から追加戦士の類が登場し、5人以上の編成にバージョンアップしている。2018~19年の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で描かれた両戦隊もそれぞれ3人からスタートしたが、途中で増員があった。
一方、『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003~04年)は、第1話に4人の戦士が登場するが、しばらくは3人で戦っている(最終的には5人に)。『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008~09年)や『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019~20年)は、ごく初期のみ3人で、すぐに5人となり、やがて追加戦士またはそれに類する戦士が加入した。
今回の『爆上戦隊ブンブンジャー』も、ブンブラック、ブンオレンジの存在がすでにアナウンスされているので、『炎神戦隊ゴーオンジャー』や『騎士竜戦隊リュウソウジャー』と同じパターンとなることが予想される。
だが、シリーズの長い歴史において、最初から最後まで3人だった作品がひとつだけある。シリーズ第5作目『太陽戦隊サンバルカン』(1981~82年)だ。バルイーグル、バルシャーク、バルパンサーの3人によって編成されるサンバルカンは、最終回まで追加戦士投入ナシだったのだ。
さらに本作は、終始3人だったこと以外にも、異色な要素がいくつもある。現時点で女性メンバーが一人もいない唯一の戦隊でもあることもそのひとつ(※)。また、前年放送の『電子戦隊デンジマン』(1980~81年)と同一世界が描かれている点も珍しい。(※2021~22年『機界戦隊ゼンカイジャー』でゼンカイマジーヌに変身するマジーヌは、人間ではなく機械生命体なので、同作を「女性メンバーが一人もいない2つ目の作品」とする見方もある。)
そして、同作品の特異性を際立たせる大事件が、バルイーグルに変身する人物の交代だ。
『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975~77年)のキレンジャー、『バトルフィーバーJ』(1979~80年)のバトルコサックとミス・アメリカなど、前例はゼロではない。しかし、バルイーグルはいわゆる「レッド」だ。センターであり、リーダーであり、なにより主役である。その交代はあまりに突然かつショッキングだった。