■シリーズで使い勝手の良い『ファイヤープロレスリング』の「ビクトリー・武蔵」
1989年、PCエンジンでヒューマンから発売されたのが『ファイヤープロレスリング コンビネーションタッグ』だ。記念すべきシリーズ1作目であり、その後、1991年に発売されたスーパーファミコン『スーパーファイヤープロレスリング』が大ヒットしている。
本作では「ビクトリー・武蔵」が、猪木さんをモデルとしていた。ゲームは斜めの視点となっており、リングはひし型状。選手は起き上がらせると汗をかき、攻め続けられるチャンスとなるのが分かりやすかった。
必殺技は、ここでも当然“延髄斬り”だ。きっちり歓声が上がるのが気持ちいい。筆者も“延髄斬り”のモーションに入ったときは、テレビの前で声を張り上げていたものだ。ビクトリー・武蔵は総合力が高いので、使い勝手が良い選手だった。新作を購入したら、まずは武蔵を選択していたものだった。
そして、同じくヒューマンからはメガドライブでも『サンダープロレスリング列伝』が1992年に発売されており、ここでは猪木さんをモデルとした「グレート花形」が“延髄斬り”を披露していた。
「燃える闘魂」はプロレスゲームには欠かせない存在であり、やはり決め技は“延髄斬り”だった。猪木さんといえば“コブラツイスト”や“卍固め”も有名だが、“延髄斬り”が決まると相手がフラフラになり、そこへさらにもう一発……とくれば、大興奮だった。いやはや、懐かしいものである。