本日、2月20日はアントニオ猪木さんの誕生日である。猪木さんといえば、令和の現代においても“日本一有名なプロレスラー”として名前が挙がるだろう。現在、小中高の我が子たちも、顔と名前をもちろん知っている。
そんな猪木さんはプロレスファンの筆者にとって、子どものころからヒーローだった。まだゴールデンタイムにプロレスのテレビ中継があった時代、茶の間で必死に「燃える闘魂」を応援していたものだった。
さて、猪木さんはファミコンなどのゲームでもモデルとなっている。今回は当時の子どもたちを熱狂させた「燃える闘魂」がモデルになったゲームを振り返ってみよう。
■パッケージにも登場…実況も新鮮だった『激闘プロレス!! 闘魂伝説』の「ドラゴン アキラ」
1989年にテクモ(現:コーエーテクモゲームス)から発売されたのが、『激闘プロレス!! 闘魂伝説』だ。このゲームは10人の選手から選択して勝ち抜き戦を行う。最後の9人目を倒すと、最後は「しにがみ ブラック キング」が登場する。
さて、このゲームでは、パッケージにも描かれている「ドラゴン アキラ」が猪木さんをモデルにしていると言われている。“ドラゴン”といえば、藤波辰爾さんを思い出すが、まさか彼の歌う「マッチョ・ドラゴン」で登場とはいかないだろう。この「ドラゴン アキラ」の必殺技は、“延髄斬り”や“卍固め”だ。これはどう考えてもやはり猪木さんである。
このゲームは自分の体力が半分以下にならないと大技を披露できないため、ちょっともどかしいところもあったが、それによって大逆転劇が演出されるから本物のプロレスのようでもある。
そして、実況演出も素晴らしかった。テクモといえば前年1988年に『キャプテン翼』を発売しているが、このゲームでも実況が演出効果を盛り上げていた。本作でも同様に技を出すタイミングで実況が盛り上げてくれるのが良かった。
また、大技を仕掛けるとズームアップになる瞬間がある。アニメーションが入り、臨場感を際立たせるものだった。「いかりの ひとたち エンズイギリだぁっ!」には、テンションが上がったものだな。
■ディスクシステムの名作『プロレス』の「ファイター隼」
1986年に任天堂のディスクシステム用ソフトとして発売されたのが『プロレス』だ。タイトルはオーソドックスなものの、当時としての出来はかなり高い。6名のレスラーながら、かなり熱中したものだった。
猪木さんをモデルとしているのは「ファイター隼」だ。ビジュアルはもちろんのこと、“エンズイギリ”を放ってくれる。しかし、なかなか最初は命中しないので、空振りして自分がダメージを食らうことも多かった。
当時は筆者の家で友達と盛り上がり、遊んだみんなが500円玉(まだ紙幣もあった)を握りしめて、近所のスーパーにあるおもちゃ売り場まで『プロレス』を書き換えに行ったものだ。