■推理やバトル、オカルトまでオールジャンルストーリーが楽しめる『有閑倶楽部』
一条ゆかりさんによって1981年より『りぼん』(集英社)にて連載がスタートした『有閑俱楽部』。男勝りな令嬢・剣菱悠理を中心とした有閑俱楽部のメンバー6人が、次々に起こる難事件を解決していくストーリーだ。
本作は爆破事件の犯人捜しといった推理系の話や、敵と戦うアクションシーン、恋愛展開や逸話に絡むオカルト展開もたっぷり楽しめる。お決まりの恋愛ストーリーは苦手という人にもおススメできる一作だ。
また、一条さんが描く緻密で美しいキャラクターたちの絵にも注目だ。
■行き場のない少年少女の心情を繊細に描いた名作『ホットロード』
『ホットロード』は、1986年集英社の『別冊マーガレット』にて掲載された紡木たくさんによる作品だ。14歳の宮市和希は母親と衝突を重ね、自分の生き方に悩む少女。ある日暴走族メンバーの春山洋志と出会い、2人はそれぞれ成長しながら愛を育んでいく。
1980年代は暴走族が社会問題になっていた時代。本作は単に暴走族をカッコよく描いたものではなく、生きづらさを抱えた少年少女の背景も丁寧に描いている。リアリティのある画と内容は高く評価され、2014年に実写映画化されたことも話題になった。
■怖いけれど読む手が止まらない『悪魔の花嫁』
『悪魔の花嫁』は、原作:池田悦子さん、作画:あしべゆうほさんによって1974年から『月刊プリンセス』(秋田書店)で掲載された。悪魔のデイモスに魅入られた女子中学生の伊布美奈子が、次々に起こる恐ろしく不思議な事件に立ち向かっていくストーリーだ。
昭和の時代はまだ“少女ホラー”というジャンルが少なかった。そんななか、デイモスの策略によって次々に人が亡くなる展開は、当時の読者にちょっとしたトラウマも与えた。しかし美奈子とデイモスの関係も気になり、“怖いけれどつい読んでしまう漫画”と話題作に。基本的に短編なので、どの巻から読んでも楽しめるのも魅力だろう。
■スポ根だけじゃない! 波乱万丈の展開が待ち受ける『エースをねらえ!』
『エースをねらえ!』は、山本鈴美香さんによるテニスをテーマにした作品だ。1973年から1975年、および1978年から1980年まで『週刊マーガレット』(集英社)にて連載された。
本作は女子高校生である岡ひろみが、コーチの宗方仁から才能を見出され、厳しい特訓を受けつつ強いテニスプレイヤーとして成長する姿を描いている。
『エースをねらえ!』は“昭和の女性スポ根漫画”としても知られており、また、豪華絢爛な美女の“お蝶夫人”の知名度も高い。しかし本作には出生の秘密や重要人物の死、気になる恋愛関係など怒涛の展開が続く。一度読めば、その面白さに釘付けになるはずだ。