昔も今も、多くの世代を楽しませてくれる漫画作品。近年の少女漫画はウェブコミックとしても配信され、日本のみならず世界中で人気がある。
しかしそんな漫画人気の礎となったのが、昭和の時代に人気を博した作品だ。名だたる昭和の名作は現在でも発行部数が伸びており、ウェブコミックでも配信して新たな読者を増やしている。そんな名作は何度読んでも心に響き、思わず涙してしまう作品も多い。
昭和生まれの筆者は、そんな名作をどうしても令和の女子たちにも読んでほしい!と考える。そこで今回は、一度は手に取ってほしい昭和の名作少女漫画10選を紹介する。
■元祖推しキャラが目白押し『はいからさんが通る』
『はいからさんが通る』は1975年〜77年に『週刊少女フレンド』(講談社)で連載された、大和和紀さんによる作品だ。
大正時代を舞台におてんば娘の花村紅緒と、そのフィアンセの伊集院忍との波乱に満ちたラブストーリーが描かれている。シリアスな展開以外にコメディ要素が多いのも見どころだ。
また忍をはじめとしたカッコいいイケメンキャラもたくさん登場しており、いわゆる元祖“推しキャラ”を生み出した作品といっても過言ではないだろう。
■それまでのヒロイン像を一新した衝撃作『白鳥麗子でございます!』
『白鳥麗子でございます!』は、鈴木由美子さんによる作品で、1987年~92年に『mimi』(講談社)で連載された。
主人公の白鳥麗子は高飛車なお嬢様で、プライドが高くいつも見栄を張っている。しかし麗子は幼馴染の秋本哲也が好きで、なかなか告白できないという一面も。そんな胸キュンありのドタバタコメディだ。
昭和の少女漫画は“素直で優しく1歩下がったようなヒロイン”が多かったが、本作は“誰よりも自分が一番!”を豪語するヒロインで、強烈なインパクトを残した。昭和から平成にかけて爆発的人気を誇った本作は、それまでのヒロイン像も一新した作品である。
■これぞ昭和をイメージする少女漫画『ベルサイユのばら』
昭和を代表する少女漫画といえば、池田理代子さんの『ベルサイユのばら』を思い出す人も多いだろう。1972年に『週刊マーガレット』(現:『マーガレット』集英社)に掲載された作品で、男装の麗人であるオスカルが、フランス革命前後のベルサイユを舞台に波乱の人生を展開するストーリーだ。
『ベルサイユのばら』には、豪華絢爛な生活を送る王妃・マリー・アントワネットや、オスカルを一途に慕うアンドレなど、魅力的なキャラが次々に登場する。咲き誇るバラに包まれ愛を告白するシーンなど、これぞ“昭和少女漫画の世界”が堪能できるうえ、物語の終盤は昭和読者の多くが涙した波乱の展開が待っている。