『ポケモン赤・緑』や『ロマンシング サ・ガ』も! “バグ=駄作”ではない! バグまみれなのに面白すぎる名作ゲームの画像
ゲームボーイソフト『ポケットモンスター赤』(編集部撮影)

 プログラムの不具合から想定外の挙動を引き起こす「バグ」は、ゲームにおける厄介者だ。製作者が考えた面白さを邪魔してしまうし、ものによっては進行不能に至る深刻なバグもある。バグを見つけた瞬間、せっかくの楽しいゲーム体験から覚めてしまう人も多いだろう……。

 しかし、ゲームの長い歴史のなかでは深刻なバグがあるのに面白い作品も少なくない。この記事では“バグゲー”といわれる一方で“名作”と評価される稀代のゲームを紹介していこう。

■ネットがない時代にバグが浸透『ポケットモンスター 赤・緑』

 まずは1996年に発売された記念すべき『ポケモン』シリーズ初代『ポケットモンスター 赤・緑』からだ。本作のバグの多さは、当時遊んだ人なら誰もが知るところだろう。

 幻のポケモン・ミュウをゲットする“捕獲バグ”、強制レベルアップなど多彩な異常の起点となる“セレクトボタンバグ”、マップを自由に行き来できる“壁抜けバグ”……数え出したらキリがない。

 一方でデメリットもあり、扱いを誤ればセーブデータの破損も免れない。「こうすればデータが壊れない!」という噂に騙され、泣く泣くデータを消した人は多いはずだ。

 失敗すればゲームが遊べなくなるバグも多かったのに『ポケモン 赤・緑』は大ヒットし、現在まで続く『ポケモン』人気の礎となった。

 今のようにインターネットが発達してない時代にもかかわらずバグ技の情報が全国に広まり、バグ技をうまく扱ったトレーナーこそ「ポケモンがうまい」といわれたものだ。

 いま振り返ると、むしろバグ技で遊びの幅が広がったのが『ポケモン』人気の一因だったのではないだろうか。そう思えるほど『ポケモン 赤・緑』とバグは密接な関係なのだ。

■セーブデータがすぐ消える…『星のカービィ スーパーデラックス』

 次は、1996年に発売されたスーパーファミコン用ソフト『星のカービィ スーパーデラックス』だ。ピンク色のかわいい食いしん坊・カービィを主役としたアクションゲームを7つ、ミニゲームを2つ詰め合わせた本作は、シリーズのなかでもとくに人気の高いタイトルである。

 ゲーム内容そのものには大きな破綻のない『SDX』だが、ひとつだけプレイヤーを恐怖のどん底に突き落とす不具合があった。それは「セーブデータが異常なほど消えやすい」というものだ。

 たとえばスーパーファミコン本体を叩く、停電で電源が落ちる、といったトラブルに遭遇すると高い確率でデータが消えてしまう。これならまだ納得もいくが、普通に遊ぼうとしていつも通り起動したらなぜかデータが消えていた、なんてこともしょっちゅうだった。

 タイトル画面直後の「デン!」というSEとともに出現する「0%0%0%」の画面はゲーマーのトラウマとしても有名だ。

 あまりにも悲惨なバグを抱えていた『SDX』だが、それでも名作だと称える声は多い。慣れてしまえばクリアまで数時間かからないコンパクトなボリュームや、何度遊んでも飽きがこない面白さが幸いし、データ消失が致命的にならなかったのだ。

 筆者もよくセーブデータが消えたが、むしろ「データが消えたからもう1回クリアしよう」という気持ちにさせられた。同じように何回も本作のクリアを目指した人は少なくないだろう。

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