■宝物取り放題…裏技で消される「四天王」
最後は『ロマンシング サ・ガ』の「四天王」にまつわる裏技から。四天王とは「水竜」「フレイムタイラント」「タイニィフェザー」「アディリス」のことで、どれも強敵であり物語のキーとなる存在だ。
四天王からは依頼を受けることができ、おつかいイベントを進めることで最後には有益なアイテムを手にすることができる。一方で彼らに戦いを挑むことも可能で、倒したあとに背後にある宝箱を奪うこともできる。
プレイヤーは、おとなしくおつかいを頼まれるか、アイテムを奪うかの選択を迫られることになる。ただ、倒すとしても四天王はかなりの強さであり、序盤で倒すことはまず不可能だろう。そんなときに利用するのが「四天王一時消滅」の裏技である。
特定条件下で四天王との戦いから逃げると、なんと、四天王が一時的に消えてしまい、奥の間に進めるようになってしまうのだ。これにより、倒して奪わなければいけないはずのアイテムが何の苦労もなく取れてしまうのだ。
この方法で消滅させた四天王は、画面が切り替わると何事もなかったかのように復活するため、依頼受諾と宝箱取得を両立することができる。
あまりにも簡単かつ便利な裏技で、『ロマンシング サ・ガ』の難易度を劇的に下げることができるとあって、ファンには有名だ。また、四天王から逃げることで、偶然裏技が発動してしまった例も少なくない。
四天王は、見た目も振る舞いも大物なのは間違いないが、裏技によって簡単に宝箱を盗まれてしまう、悲劇のボスキャラでもある。依頼の説明も、懇切丁寧な場合が多いのが、さらにプレイヤーの罪悪感をあおっていくのだ。
以上、スーファミの名作ＲＰＧから、戦闘すらしないボスの中でも特にインパクトの強いボスを振り返った。どのボスも、なまじ印象に残るくらい個性が際立っているだけに、こうして振り返ると、理不尽で悲劇的に見えてしまうものである。
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