『ロマンシング サ・ガ』のサルーイン完全体、『ファイナルファンタジーIV』のゴルベーザ、『第4次スーパーロボット大戦』のライグ=ゲイオス……。1990年にスーパーファミコンが発売され、ファミコン時代から大きく進化したグラフィックに感動したが、「ボス」の迫力もまた進化した。スーファミ時代のRPGにもさまざまな強敵が登場しており、その禍々しさはリアルタイムでプレイした人の記憶に、深く植えつけられているだろう。
そんな中で、何か凄そうに登場したのに、「戦わずして消滅」してしまうボスも存在した。今回はスーパーファミコン時代のRPGから、戦闘すらしないで終わってしまうのにインパクトが強いボスを3つ紹介しよう。
■ラスボスなのに情けなくやられる「デスタムーア」
『ドラゴンクエストVI 幻の大地』のラスボス・デスタムーアは、かなりの強敵だ。対処法の違う3形態を持っているうえ、最終形態は複数モンスターとして扱われ、手痛い攻撃を何発も繰り出してくる。ラスボスにふさわしい強さである。
そんなデスタムーアだが、戦わずして倒されてしまう有名な隠しイベントがある。裏ボスである「ダークドレアム」を20ターン以内に撃破することで、ラスボスであるはずのデスタムーアをダークドレアムが代わりにあっさり倒してしまうのだ。
20ターンの撃破は至難の業だが、息を切らせながら必死で戦うラスボス・デスタムーアに対して、余裕しゃくしゃくなダークドレアムという構図は、デスタムーアの格が一気に下がった感じがして、まさに衝撃的だった。
デスタムーアはラスボスであり、当然そのままエンディングとなる。急にやってきた強者に、あっけなく倒されるラスボスというのは前代未聞である。
デスタムーアに苦戦したプレイヤーほど、このイベントは衝撃的に映ることだろう。
■名前も姿も分からずじまいだった「エクスデス配下の赤いやつ」
ラスボス戦の前に凶悪な中ボスたちと連戦するというのはRPGでもよくある展開だが、『ファイナルファンタジーV』では、戦うであろうと思われたキャラクターが、主人公が戦う前に、第三者にやられてしまうイベントがある。エクスデス配下の「赤いモンスター」だ。
イストリーの滝最深部で、主人公たちを倒すため、颯爽と登場する赤いモンスターだが、突如として現れたリバイアサンと戦闘に。戦闘シーンもないまま、あっけなく消滅してしまう。
この赤いモンスターは主人公で戦う手段が無いうえ、詳細な姿も名前すらも判明していない。『ファイナルファンタジー』シリーズ史上、最上級のミステリアスな存在となってしまった。
分かるのは、エクスデス直轄の部下らしいことだろうか。メリュジーヌやアポカリョープス、ツインタニアと同格と思われるので、それらと同格の強さだったことが伺える。しかしながら、どういった技を使うのかを知るすべはないのである。