■ディズニーといえばこの名コンビ…『モンスターズ・インク』石塚英彦、田中裕二

 アニメ映画といえば『ディズニー』作品も根強いファンが多く、こちらも芸能人が声優として抜擢されるシーンが多くなってきた。

 とくに2001年に公開された『モンスターズ・インク』では、主人公となるモンスター、サリーとマイクをそれぞれ“お笑い芸人”が担当したことでも話題を呼んだ。

 大柄なサリーを演じたのは、“石ちゃん”こと「ホンジャマカ石塚英彦さん。そして、小柄で一つ目が特徴のマイクを演じたのは、「爆笑問題」ツッコミを担当する田中裕二さんである。

 本作は恐ろしい見た目をしているがおっとりしたサリーと、小柄でひょうきんだが熱意を持つマイクの“掛け合い”も見どころの一つだが、石塚さん、田中さんはどちらも自身が担当するキャラクターの持ち味を最大限に引き出し、“でこぼこコンビ”の痛快なやり取りを演じ切っていた。

 笑いあり、シリアスありの起伏に富んだストーリーのなかで、二人が見せる底抜けに明るい雰囲気はもちろん、境遇や行く末に悩む物静かな演技は本家声優に負けずとも劣らない。

 本作はその人気から、のちに過去を描いた『モンスターズ・ユニバーシティ』が作成されているが、二人は引き続きサリーとマイクの声を演じることとなる。

 ディズニー映画という大舞台で、各々の持ち味を存分に発揮し活躍したお笑い芸人たちだ。

■優しい声色で演じる名脇役の数々…『タッチ』林家こぶ平

 1981年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載された、あだち充さんの『タッチ』。本作は高校野球を通じて、双子の兄弟と幼馴染のヒロインの“三角関係”の模様が描かれている。

 1985年にはアニメ版が放送されたが、この際、とあるキャラクターの声を“落語家”が担当し、キャラクターに命を吹き込んだ。それが、のちに“九代目・林家正蔵”の名を冠することとなる林家こぶ平さんだ。

 落語家でありながら俳優、タレント、司会者などマルチな活躍を見せるこぶ平さんだが、本作では明青学園野球部の正捕手として活躍する松平孝太郎を演じている。

 恰幅の良さが目立つ松平孝太郎はその見た目通り“鈍足強打”が特徴の選手で、お調子者かつお人好しなキャラクターの性格と、こぶ平さんの柔らかな声質、演技は見事にマッチしていた。

 本作以外にもこぶ平さんは『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の寺井洋一や『美味しんぼ』の快楽亭吉笑(二代目福々亭末吉)といった役柄で声優を演じており、いずれもこぶ平さんが持つ温和な人柄とキャラクターが見事に噛み合っている。いずれの作品でも、主人公たちの脇を固める“縁の下の力持ち”を演じていた。

 

 声優とお笑い芸人……と聞くと、どこか原作ファンからすると身構えてしまう部分もあるが、今回紹介した面々のように卓越した演技力や個性を活かしている人も多い。お笑い芸人たちが見せる熱演の数々を、ぜひご自身の目と耳で確かめてみてほしい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3