■小道具のはずがまさかの超レアアイテムに変貌?『ハイパーオリンピック 殿様版』

 スポーツを題材にしたゲームも当時から数多く登場していたが、1985年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売された『ハイパーオリンピック』は多種多様な“陸上競技”を楽しむことができる作品となっている。

 のちにさまざまなハード媒体に移植される名作アクションゲームだが、同年にとある“有名お笑い番組”とのコラボを果たし、数量限定で一般販売されていた。

 そのお笑い番組とは、今もなお伝説の番組として語り継がれているTBS系バラエティ番組『8時だョ!全員集合』の番組内で登場した志村けんさんが扮する「バカ殿様」なるコント作品だ。

 当初はコントのなかで使う、いわゆる“小道具”として扱われるのみだったのだが、番組の人気が出てくるに従い、この特殊な『ハイパーオリンピック』の存在もファンの間で有名になっていく。

 主人公を“バカ殿”に差し替えたグラフィック以外にも、コントで使いやすいように“遊ぶ競技を選択できる”という変更点があったのだが、これが見事に元となったゲームとの差別化を計る要素となった。

 のちに『ハイパーオリンピック 殿様版』なるタイトルとなり数量限定で販売され、一部は番組の懸賞品にもなったことでファンの手に渡ることとなる。

 コラボしたお笑い番組のその知名度もさることながら、なにより“小道具”として作られたものが、ファン垂涎のグッズになってしまったという事実には驚かされてしまう。かつての番組同様、いまや“伝説”の作品として語り継がれる、なんとも貴重な一作である。

 

 当時有名だった商品や番組など、意外な“コラボ”を果たしたファミコン作品たちは、いまやその稀少価値から凄まじい値段で取引されている。現在の価値はもちろんのこと、ファンが思いも寄らなかったさまざまな“コラボ”内容にも驚かされてしまう。

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