「デュラン」に「やまたのおろち」も…『ドラクエ』シリーズに登場する“己を貫いて威厳すらあるカッコいい中ボス”たちの画像
画像は『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエスト3』『ドラゴンクエスト5』『ドラゴンクエスト8』『ドラゴンクエスト11』(編集部撮影)

ドラゴンクエスト』シリーズでは、物語のクライマックスといえる「ラスボス」の登場が魅力的である。ただ、なかには『ドラクエ5』に登場する「ゲマ」のように、印象に残る中ボスもいるものだ。そこで、己を貫いて威厳すら感じられた筆者おすすめの中ボスを紹介したい。

■強者と正々堂々と闘いたいがために全回復してくれる『ドラクエ6』の「デュラン」

 威風堂々としている中ボスといえば、『ドラクエ6』に登場する「デュラン」ではないだろうか。本作では各地を封印している中ボスがおり、そのなかでも「ムドー」は序盤の強敵として有名である。

 しかし、カッコいい中ボスといえば、やはりゼニスの城を封印しているこのデュランだ。彼はテリーを仲間に引き入れるほどのカリスマ性があり、主人公たちを客人として迎え入れる器量の良さを見せる。彼はゼニスの城を改造して“ヘルクラウド城”と呼び、自分の居城にしていた。

 ここでは敵モンスターと会話できて、襲われる心配もない。さすがはデュランだ。そして対面後は実力を見せろと言わんばかりに、3連戦の“デュラン戦”がはじまる。

 2戦目でテリーを倒して2連勝すると、なんと彼は褒美とばかりに体力を全回復してくれるのだ。さらに、死亡している仲間までも生き返らせてくれるほどの大サービス。こんなボスはいないのではないだろうか。

 まあ、部下たちは「大丈夫か、ボス?」なんて心配していそうだが、全力で戦いたいという意思が見て取れて敵ながらもカッコいい。コイツがラスボスでもおかしくないほど。だって、ラスボスのデスタムーアはヨボヨボの爺さんだし……。しかも、スーファミ版ではここで負けると伝説の装備を取り上げられるから大変だった。

 ただ、この3連戦では、実は初戦のキラーマジンガに一番苦戦したものだ。テリーも含めて全員一緒に戦えばよかったのに……とも思うが、そこはデュランの美学に反するのだろう。とはいえ、下半身パンツ一丁で立ち尽くしているので、見た目はちょっと変態チックだが。

 デュランを倒すと、生まれ変わっても戦いたいと言ってくる。まるでバトル漫画のライバルのようだ。傍で見ていた部下たちは「おい、負けてんじゃねーよ!」って恨んでいそうな気がするけど……。

■間違って2連戦したら大変! 徹底的な悪だった『ドラクエ3』の「やまたのおろち」

 筆者が一番好きな中ボスは『ドラクエ3』に登場する「やまたのおろち」だ。未開国・ジパングを支配しているモンスターで、女王のヒミコに成り代わっている。ジパングから捧げられる生贄を食らっている、とんでもない残忍なヤツだ。

 さて、ジパングの洞窟に入ると、やまたのおろちと対決することになる。この洞窟自体は簡単なのだが、白骨が転がっており、どうやらここで生贄を食らっているようだ。恐ろしい……。

 そして、やまたのおろちは戦っても強い。ジパングを訪れるのは、だいたいレベル20を少し超えたあたりか。魔法使いが「バイキルト」を覚えていたらいいのだが、賢者に転職しているとけっこう大変でもある。

 2回行動に加えて通常攻撃も強力。炎を吐いてくるのがやっかいで、全体的にHPを削られてしまう。しかもファミコン版では自動回復が入っているので、何も知らなかった当時、なんて強敵なんだと思ったものである。

「ラリホー」や「マヌーサ」が効果的とはいえ、初見ではなかなか気付けない。炎系には完全耐性なので、簡単に全滅してしまったプレイヤーも多いだろう。苦労して倒すと、「くさなぎのけん」を手に入れることができる。

 それにしても「ジパング」に「ヒミコ」、「やまたのおろち」に「くさなぎのけん」って、日本の歴史(というより日本神話)でテンションが上がる。

 やまたのおろちが逃げた旅の扉へ追いかけてジパングに戻り、具合が悪くて苦しそうなヒミコの訴えを拒否してまさかの2連戦! 体力を回復しておらず、後悔したこともあった。

 まあ、一度やられているのにもかかわらず、「だまって おとなしくしているかぎり そなたを ころしはせぬ」と言ってくるし、拒否すると「いきては かえさぬ! くいころしてくれるわ!」なんて言う始末だし。徹底的な悪役で、むしろ清々しいものだった。

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