いまや大物俳優として活躍する人たちのなかには、“名もなき役柄”を演じて下積み時代を送っていた人もいる。過去の出演作品を振り返ってみると、出演時間が驚くほど短く、すぐに死んでしまう役柄で登場することも。そこで今回は、実写化作品や特撮作品において、あっという間に退場する役柄を演じた俳優たちをご紹介しよう。
■冒頭シーンで電車に…『リアル鬼ごっこ』波瑠さん
2001年に刊行された山田悠介さんの人気小説『リアル鬼ごっこ』。2004年には漫画化され、2008年には実写映画化も公開された。本作の映画は全5作が制作されるほど人気を博し、のちに連続ドラマ化も果たしている。
そんな『リアル鬼ごっこ』の映画1作目には、女優の波瑠さんが出演している。波瑠さんは朝ドラヒロインに抜擢されブレイクしたが、それまで長い下積み時代を送っていたことでも知られている。なかでも、本作で見せた“端役ぶり”は今でもたびたび話題となるほどだ。
波瑠さんは本作の冒頭で、友人たちと談笑しながら登場する女子高生役として登場する。ロングヘアで、当時から整った顔立ちをした美少女なのだが、なんと次の瞬間、あっという間に電車に轢かれてしまうのだ。
“佐藤”の姓を持つ人が次々と亡くなる『リアル鬼ごっこ』の世界。波瑠さんも“佐藤”の姓を持つ役として登場し、冒頭シーンで本作の恐ろしさをまざまざと見せつけている。
見返した際、特徴的な顎のホクロで気づくことができた筆者だが、エンドロールで彼女の名前を見つけて驚いた人も多いだろう。
いまでは大物俳優として活躍する波瑠さん。彼女の下積み時代を語るうえで外すことができない、ある意味インパクトが大きすぎる役となったようだ。
■ミイラになる姿が怖すぎる! 『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』仲間由紀恵さん
『リング0 バースデイ』や『TRICK』などで知られる仲間由紀恵さんもまた、下積み時代に演じた役が印象的だった。
彼女が出演したのは、1999年に公開された特撮映画『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』。全3作が公開された“平成ガメラシリーズ”の完結編で、イリス、ギャオス、ガメラという怪獣たちの激しい戦いと、それに巻き込まれる人間たちの姿が描かれている。
本作で仲間さんは、名もなき“女性キャンパー”の役を演じている。この女性キャンパーはイリスが覚醒した南明日香村で友人とともにキャンプをしていたところ、イリスの餌食となり、ミイラ化してしまうという切ない最期をとげるのだ。
登場して間もなくミイラ化してしまう仲間さんだが、一瞬でもその美しさは観客たちの記憶に残るものだったようで、「美少女」と、当時から彼女の美貌に注目が集まっていた。
そして翌年、『リング0 バースデイ』で主演の山村貞子役を射止め、瞬く間にスターへと駆け上がっていった仲間さん。どんな役でも光って見えるのが、大物たるゆえんだろう。
それにしても、仲間さんのミイラ姿はトラウマ必至……。脳裏に焼き付いて離れないほどなので、ホラー好きの人はぜひ見てみてほしい。