■ファミコン最終作品『高橋名人の冒険島4』

 最後に紹介する1994年6月24日発売の『高橋名人の冒険島4』は、1000本以上あると言われる「ファミコン最後」にリリースされた作品だ。『冒険島』シリーズとしては、すでに2年前の1992年1月11日に、スーパーファミコン版の『高橋名人の大冒険島』が発売されている。

 1994年は、『ファイナルファンタジー6』や『スーパードンキーコング』が発売された、まさにスーパーファミコン全盛期。その半年後にはセガサターンやプレイステーションといった「次世代機」が発売される激動の年となった。

 そんな激動の時期に発売されたファミコン最終作品だけあって、生産数自体が少なく現在ではプレミア化されている。オークションサイトなどではカートリッジのみでも3万円程度で取引されており、箱・説明書つきともなると10万円を超える高価格で扱っているショップもある。

 登場人物は過去作お馴染みのキャラクター。グラフィックはブラッシュアップされているものの、過去作準拠だ。最後まで島の外へは出ないという潔さである。

 システムは、従来の横スクロールアクションから、『メトロイド』のような探索型アクションへと変化。ライフポイントが可視化されるなどRPG要素が増した。高騰化しているためプレイする機会はなかなかないが、ゲーム内容だけ見ても完成度が高く、「ファミコン最後」にふさわしいタイトルと言えるだろう。

 以上3本を紹介したが。同時期には『星のカービィ 夢の泉の物語』や『ジョイメカファイト』も発売されている。それまでのファミコンソフトの総決算であり、同時に大胆な新要素を加えた、知る人ぞ知る名作が多い。

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