■名作の完全再現はやはり難しい?…『BACK TO THE FUTURE』(バック・トゥ・ザ・フューチャー)

 洋画には数多くのSF作品が存在するが、1985年に放映された『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はその代表作ともいえる名作だ。

 “タイムトラベル”をテーマとした本作だが、1989年にLJNより同タイトルのNES版ソフト『BACK TO THE FUTURE』が登場した。

 本作は原作と同じ主人公・マーティを操作していくのだが、原作の世界観を受けついだアクションゲームとして、随所に大幅な改変が加えられている。

 まずゲーム開始直後、プレイヤーはマーティを操作し、下から上に強制スクロールするステージを敵の攻撃を避けながら進んでいく。そしてチェックポイントに辿り着くと、次々と現れるヤンキーたちに皿をぶつけて撃退するというミニゲームがはじまる。

 原作でも有名なマーティが両親の目の前で曲を演奏する……という場面も再現はされているものも、こちらもいわゆるミニゲームに組み込まれており、全体的に原作の設定をなんとかゲームシステムに落とし込み、操作性を持たせているといった形だ。

 また、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といえば、“タイムマシン”として活躍する自動車・“デロリアン”が作品の顔にもなっているが、こちらもばっちりと登場。ゲーム後半、デロリアンを操作し降り注ぐ“雷”を避けながら進んでいくカーレース型ミニゲームが用意されている。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の要素は随所に盛り込まれているものの、やはり原作の色をそのままゲームに落とし込むことは難しかったのか、そのあまりにも大胆な改変っぷりにファンも驚いてしまうかもしれない。SF作品の金字塔とも呼べる超人気原作を当時のNESでなんとか追体験させようとした、あまりにも意欲的すぎる一作だ。

 

 日本がファミコンブームに沸き立つなか、海外もまたNESの登場に大きな盛り上がりを見せていた。とくに今回紹介したような有名映画を原作にしたソフトは、どれも当時のマシンパワーをフル活用し、原作の世界観を再現・アレンジした意欲作ばかりである。

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