■仲間の扱いがキモ『キテレツ大百科』
続いては1990年にエポック社から発売となった『キテレツ大百科』。アニメは当時、毎週日曜の夜に放送されていたので、原作の認知度はかなり高い。
そんな『キテレツ大百科』は、ジャンプして敵を踏みつけて倒しながら進んでいくというオーソドックスな横スクロールアクションだが、こちらもなかなかクリアする姿をお目にかかれない難しいゲームとなっていた。
ふんわりとしたジャンプ。移動速度や弾が速い敵。シビアな踏み付け判定によって自分のほうがダメージを受けてしまう。ジャンプ中に上ボタンを押すことで重力が反転する。などなど、これらクセが強い操作性が高い難易度の原因だが、それ以上にプレイヤーを苦しめたのが仲間たちの存在だろう。
ステージが進むごとに「コロ助」や「みよちゃん」が仲間になっていくが、彼らにも当たり判定がある。攻撃を手伝ってくれるわけでもなければ固有の技があるわけでもなく、操作キャラのキテレツに微妙に遅れてついてくるだけ。キテレツがダメージを回避したところで、仲間のダメージが蓄積されればゲームオーバー。キテレツが穴を飛び越えても、仲間が落ちてしまうとゲームオーバー。仲間が増えると難易度が上がってしまうのがファミコン『キテレツ大百科』で、クリアできず諦めた子どもたちは相当多いように思われる。
しかし、ステージ上でセレクトボタンを押すことによって仲間たちが自分のところに重なるようになっている。子どもの頃は前に進もうと焦ってばかりいたところを、一度立ち止まってセレクトボタンで仕切り直すことが大切。慎重に慎重を重ねて歩みを進めれば、けっしてクリアできない難易度ではなかったりする。
アクション性の高いステージでは、1度のジャンプだけでもその前と後にセレクト。敵の攻撃が激しい箇所もその都度セレクトを使用し、被弾率を下げていく。一度コツを掴めば、子どもの頃は見られなかったクリアへの道が一気に開けていくだろう。