激ムズゲーム「藤子不二雄」作品原作のファミコンたち、大人になってリベンジしたら“攻略法”も見つかる?の画像
ファミコン用ソフト『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』
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 ファミリーコンピュータが任天堂から発売されて、2023年7月15日で40周年を迎えた。日本に家庭用ゲーム機を一気に普及させたファミコンだが、当時はゲームバランスが悪かったり、ゲームのルール説明がそもそも不足していたり、理不尽なほど難易度が高いソフトが数多くあった。

 多くの子どもたちにとっては年に数本新しいソフトが買ってもらえる程度で、どんな“ムズゲー”でもなんとかクリアしようと踏ん張ったもの。そんな苦労を味わった難しいゲームとして藤子不二雄氏の漫画を原作としたファミコンソフトを覚えている人も多いのではないだろうか。

 そこで今回は『ハットリくん』『オバケのQ太郎』『キテレツ大百科』という、あの頃は1~2面しかクリアせずに止めていくことになった激ムズゲームを振り返りたい。

■忍術で活路を見出す『忍者ハットリくん』

ドラえもん』『パーマン』『パラソルヘンべえ』などなど藤子不二雄作品はゲーム化されたものも多く、いずれも子どもたちに人気のソフトだった。その中からまず、パッケージのキャッチーさと裏腹に高い難易度でプレイヤーを苦しめたファミコン『忍者ハットリくん 忍者は修行でござるの巻』(1986年、ハドソン)を振り返りたい。

 ジャンルは横スクロールアクションと、当時のゲームとしては王道。Aボタンでジャンプし、Bボタンで手裏剣を放ち、敵を倒しながらゴールを目指すというシステムだ。

 かわいいキャラクター、そして『ハットリくん』のテーマソングとクラシック曲がマッシュアップされた軽快なBGM。そこに騙されがちだが、実のところかなり理不尽な難易度が採用されたゲームである。

 まず襲いかかる敵が多い。スピードが早く行動パターンが読みづらく、避けようとジャンプをすると、まるでこちらの動きに合わせたかのように体当たりしてくる。そのうえ雲に乗って超スピードで手裏剣を投げてくる敵がいたり、一度触れるとライフが無くなるまでハメてくる敵まで登場する。ところどころで即死してしまう水辺や穴があるが、通常のハットリくんは忍者のわりに微妙にジャンプ力が乏しく、ギリギリのところで飛ばないといけなかったりする。

 などなど様々な困難がプレイヤーを襲うゲームで、基本的には各ステージの敵たちがどのような動きをするか、ひたすらゲームオーバーしながら体で覚えるしかなかった。

 当時の筆者の周囲の子どもたちも、進めて3、4ステージあたりまで。その先はほとんど見る機会がなく別のソフトを起動させていたが、大人になった今改めてプレイすると、子どもの頃には使いこなせなかった「忍術」が、相当に強力だということが分かるようになった。

 同作では画面上に手に入れた忍術のアイコンが並んでおり、場面場面でそれらを使って切り抜けられる。ジャンプ力がアップする「高飛びの術」や、水の上を歩ける「水ぐもの術」は序盤から使え、即死箇所が回避できるようになり、これがかなり助かるのだ。

 他にもステージをクリアするまで空を飛べる「ムササビの術」や、本当の難所で使いたい「八方手裏剣の術」など、いろいろ。闇雲に使っては意味がないものもあるが、これら術を駆使することで、当時はてんで進めなかったファミコン『ハットリくん』をクリアできるはず。

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