■知る人ぞ知る名作RPG『ミスティックアーク』
スーパーファミコン末期でグラフィックが美麗といえば、1995年7月にエニックス(現:スクウェア・エニックス)より発売された『ミスティックアーク』も外せない。前述の2つほど有名ではなく、語られる機会が少ないのが残念であるが、ドット絵の表現がピカイチな作品のひとつではないだろうか。
『ミスティックアーク』で特筆すべきは戦闘グラフィック。仲間が手前側、敵が奥側という、正面から対面するアングルの戦闘画面なのだが敵の絵がとても美麗なのだ。
モンスターの書き込みは細かく、異形なモンスターは気味が悪く、ドラゴン系のモンスターは格好良く、モンスターの特徴がとにかく臨場感たっぷりに生き生きと表現されている。そんなモンスターはアニメーションしており、攻撃に対応して動くのもまた迫力がある。ドット絵の戦闘表現の一つの完成系であろう。
また時計や絵画といったアイテムがクローズアップで大写しになる画面が頻繁に表示されるが、そこの表現も細かく質感まで伝わってくる書き込み具合。なお同作は小野不由美氏の『十二国記』シリーズや水野良氏の『ロードス島伝説』で知られるイラストレーターの山田章博氏がキャラクター・デザインを手がけている貴重なゲームでもある。
スーパーファミコングラフィックの到達点とも考えられる3つの作品を紹介した。3つの作品どれもそれぞれの凄さを持っていて、最新ゲームにも劣らない魅力で溢れている。