■アンブレラ社の隊員、カルロス・オリヴェイラ

 カルロス・オリヴェイラは、アンブレラ社のバイオハザード(生物災害)対策部隊である「U.B.C.S」に所属する若き兵士だ。『バイオハザード3』にて、主人公であるジル・バレンタインをサポートする準主役のような存在として登場した。

『バイオハザード』を少しでも知っている読者は、「アンブレラ社がバイオハザードの元凶だったのでは?」と思うかもしれないが、その通りである。表向きは世界的な製薬会社であったため対策部隊をつくっていたが、それにより世間の目を欺くとともに隊員たちの戦闘データを実験に利用していたのだ。

 カルロスをはじめとする隊員たちは全くその事実を知らず、心から「市民救助」という使命のもとに活動している。アンブレラ社の本当の姿を知っているジルから最初のうちこそ警戒されるものの、彼の人間性を知るにつれ、ジルもカルロスのことを信用していく。アンブレラ社の実態を知るジルから皮肉を言われても軽く受け流し、市民やジルのために全力を尽くすカルロスに惹かれたプレイヤーも多いだろう。

 最終的にはジルとともにラクーンシティを脱出したのち、行方は分からないままとなっている。物語の過程でアンブレラ社の真意を知ったカルロスはアンブレラ社に怒りを抱えていた。その後の作品に登場こそしていないものの、持ち前の正義感で戦っているのだろうか……。

■最強だったジェイク・ミューラー

 最後は『バイオハザード6』に登場する主人公キャラの一人、ジェイク・ミューラーだ。ジェイクは、歴代『バイオ』作品において長らく主人公を務めるクリス・レッドフィールドの宿敵であるアルバート・ウェスカーの息子。さまざまな事件の黒幕として暗躍してきたウェスカーは、「ウェスカー計画」によりさまざまな英才教育ののちアンブレラによりウイルスを投与され、人類の創造主になる野望を叶えようとしていた。

 そのため、息子であるジェイクもウイルスに対する先天的な抗体を持っており、そのうえ恵まれた体格の持ち主でもある。他キャラが銃やナイフで敵を倒していく中、彼だけは素手で敵を一掃していく。『バイオ6』に登場する4人の主人公のうち、ジェイクのあまりの強さに驚いたプレイヤーもいるだろう。

 そんなジェイクの良さは特別な出生や体術のかっこよさだけでなく、人間味あふれる「普通の青年」らしさをもっていることだ。パートナーである合衆国エージェントのシェリー・バーキンと接するうちに心を開いていくジェイクはまるではじめて愛情を注がれた子どものようにさえ見えた。

 エンディングの際には、超人的な強さとともに人として成長したことでよりかっこよくなったジェイク。しかしそのあまりの強さゆえか、その後の作品には登場していない。あの爽快なアクションと、シェリーとの小気味よい掛け合いをまた見たいものだ。

 今回は『バイオハザード』に基本的に一作品しか登場していないキャラのうち、特に再登場してほしいキャラクター3選を紹介した。この他にも、『バイオハザード ダークサイドクロニクルズ』のマヌエラ・ヒダルゴや『バイオハザード5』のシェバ・アローマなどの勇敢な女性キャラもいる。ぜひ、紹介したキャラクターが気になった方は、『バイオハザード』の緻密に練られた物語を追ってみてはいかがだろうか。

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