漫画やアニメ、ゲームにおいて、すぐに物語から退場してしまったキャラクターというのは、多くの読者の記憶に残り続けるものだ。極限状況を描くゾンビホラーゲーム『バイオハザード』においてもそうしたキャラは何人もおり、レオンやジルなどおなじみのメンバーだけでなく、わずか1作品しか登場していないキャラの中でもプレイヤーに強烈なインパクトを与えた人物は数多い。
今回は歴代の『バイオハザード』から、ファンが多く再登場が切望されるキャラクターを何人か振り返りたい。これから物語を追いたいという読者にとっても、こうしたキャラを知ることで、『バイオハザード』のストーリーの奥深さに触れられるだろう。
■イケメンで正義感が強かったビリー・コーエン
まずは『バイオハザード0』から、ビリー・コーエン。パッケージでも描かれている、右腕にタトゥーを入れたオールバックの男性キャラだ。同作は『バイオハザード』に登場するラクーン市警特殊部隊「S.T.A.R.S.」のレベッカ・チェンバースの前日譚として作られたシリーズ第5弾のタイトルで、ビリーはW主人公の一人だが再登場はいっさいなし。“その後”の姿が気になってしまうキャラクターだ。
彼はもともとアメリカ海兵隊に所属していたが、アフリカでの軍事作戦中に現地の民間人23人を虐殺した罪で死刑判決を受けている。そして、刑執行のために基地に移送される途中に護送車が襲われたことでバイオテロに巻き込まれ、特急列車内で出会ったレベッカとともに、事態の解決を目指していく……。
ビリーは元海兵隊だけありガタイがよく、そしてイケメン。初対面こそ、飄々とした性格の持ち主のような印象を受けるが、敵対視してくるレベッカを何度も助けてくれるうちに、彼の正義感の強さや義理堅さを知ることができるだろう。そして、最終的にはビリーの死刑判決が冤罪であることが判明する。それどころか民間人の虐殺を企む隊長を制止しようとしていたのだ。
エンディングで、ビリーの無実を信じたレベッカは逮捕せずに彼を見逃している。最後に2人は敬礼をし合い、レベッカが去ったのちに「ありがとう、レベッカ。」とビリーが呟いたところで物語は終了。
このあっさりとした別れ以降、ビリーは登場していない。きっと別人として穏やかに暮らしているのだろうが、いつか再登場してほしいファンも多い魅力的なキャラクターのひとりだ。