好きなファミコンゲームと言えば、真っ先にテクモ(現:コーエーテクモゲームス)の名作『キャプテン翼 Ⅱスーパーストライカー』が思い浮かぶ。発売日が1990年7月と、すでにスーパーファミコンが同年11月に発売決定されており、まさに最後の名作ファミコンソフトともいえる。
ハードが進化したあともシリーズは続くのだが、最高傑作と言っても過言ではないのが、このファミコン版でもある。筆者の長男は原作を知らないものの、よくYouTubeなど動画で目にするため興味を持っていた。そうか……ならば、押し入れから取り出してプレイしてみようではないか。さて、原作を知らない令和の高校生も楽しんでくれるのか。
■至高のオープニングに「ひらがな多いね」って…
『キャプテン翼Ⅱ』を語るうえで欠かせないのが、至高のオープニングだ。ゲームはオリジナルストーリーながら、原作の3年後を舞台とした内容になっている。
大空翼がブラジルゴールを目指すなんてファンにはたまらない。日向小次郎が「タイガータックル」を繰り出すシーンは興奮もの。「タイガーショット」ではなく、「タイガータックル」を持ってくるあたり、制作陣の『キャプテン翼』愛が見て取れる。
続いて岬太郎の「ツインシュート」に、若林源三の「ワンハンドキャッチ」。前作では原作同様、出番が少なかったので、今回は若林を多用できるのかとワクワクしたものだったな。テンポの良いBGMもオープニングシーンにマッチしており、オープニングから神がかっていた。
そして、優勝トロフィーとナレーション(文章のみ)が入り、最大のライバルがブラジルユースと判明する。原作ではブラジルとの対決がなかったので、これは鳥肌ものだった。
長男も画面に集中していたので筆者同様に感動しているのか?と思いきや、「ひらがな多いね」ってオイ! ファミコンなんだから当たり前だろう。こっちが感動している間にひらがなを必死に読んでいたのか? どうやら令和の高校生には、ファミコンの文字は読みづらいらしい。「でも、わかばやしってカッコいいね」とひと言添えてくれたので、まあいっか。
■令和でもシステムは斬新! 必殺シュートの応酬で吹っ飛ばされる「レナート」にびっくり
最初からプレイすると長男もさすがに飽きてしまうと思うので、当時、レポート用紙に書いて箱に入れておいたパスワードを活用した。まずは、ブラジルでのリオカップ準決勝から始める。
「へえ~! シミュレーション的な感じで新鮮!」この言葉を聞いて、筆者も思わずニヤリだ。ゲームシステムは今でも斬新といえるだろう。
相手は名門のサントスだ。色違いの日向ともいえるザガロがおり、必殺シュートも強力だ。こちらはサンパウロFCで、翼と、意外と使えるバビントンによって軽快に試合を運んでいく。しかし、厄介なのがGKだ。サンパウロFCはレナートなのだが、コイツはちょっと悲しいくらい弱々しい。
ザガロの必殺シュート「ダブルイール」で吹っ飛ばされてしまい、「え!」と、長男もびっくりしていた。そして、「あれっ? GK交代しないの?」と。何度も吹っ飛ばされるので心配になるのだろう。でも大丈夫、“ボールはともだち”だ! 「いや、ともだちに吹っ飛ばされても……」長男の小言が聞こえた。
レナートのせいで何度も失点するものの、こちらもジウのスルーや翼のキーパーを交わすドリブルでなんとか逆転勝利! なかなかやるではないか長男。
そして決勝のフラメンゴ戦は、ライバルのカルロスだけでなく、必殺シュートを持っているジェトーリオやサンタマリアもいるので、相変わらずレナートは吹き飛ばされていた……。