『星の瞳のシルエット』や『ときめきトゥナイト』の“現在地”は? 実は“続編”があった『りぼん』黄金時代の名作少女漫画たちの画像
フェアベルコミックス『星の瞳のシルエット』(フェアベル)
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 多くの女性を夢中にさせてきた、『りぼん』の少女漫画たち。数々の作品のなかには、最終回から何年後かの未来が描かれていたり、後日談が明かされていたりと、ファンにはたまらない“現在地”が明かされているものもある。そこで今回は、“黄金時代”を迎えていた80年代後半〜90年代前半の『りぼん』を彩った懐かしの名作のなかから、ファンが見たかった“現在地”が描かれている作品をご紹介しよう。

■『星の瞳のシルエット』の20年後を描いた『星屑セレナーデ 星の瞳のシルエット another story』

 1985年から1989年まで連載されていた、柊あおい氏による『星の瞳のシルエット』。

 当時、中高生の少女たちだけでなく、男性ファンをも夢中にさせた本作には、番外編として本編終了後のキャラクターたちの“その後”を描いた「ENGAGEシリーズ」などが存在している。

 そんな『星の瞳のシルエット』も、約29年越しに連載された続編がある。2018年から『コミックタタン(2019年に『ゼノン編集部』に統合)』(コアミックス)で掲載された『星屑セレナーデ 星の瞳のシルエット another story』だ。20年後の世界が描かれており、2021年までに全5巻のコミックスを販売し完結している。

 主人公はまったく別のキャラクターになるのだが、多くの少女を夢中にさせていたヒーロー・久住智史が42歳の大学教授になっているだけでなく、たびたびお馴染みのキャラクターが“40代の姿”になって登場し、当時のファンを歓喜させた。

 ちなみに、『星屑セレナーデ 星の瞳のシルエット another story』は連載当時、ゆっくりペースの物語展開がファンの間でも話題となり、「香澄はいつ出るの?」と主人公・沢渡香澄がなかなか登場しないことを嘆く声が多く寄せられたそうだ。

 本編連載終了から30年近い月日を経て、願ってもない続編が描かれたとあって、ファンの期待や関心はそれほど高かったのだろう。月日を重ねても色褪せない青春の1ページのような名作だと思う。

■『ときめきトゥナイト』の“その後”を描いた『ときめきトゥナイト それから』

 1982年から1994年まで連載されていた、池野恋氏による『ときめきトゥナイト』。本作は3人の主人公の物語を描いた3部構成となっており、ファンタジー要素あり、ギャグ要素あり、シリアスな展開あり……と、見どころ満載の大人気作品だった。

 本作には、本編から派生したスピンオフ作品が多数ある。2002年にはキャラクターの設定やストーリーに大幅な改変が加えられたリメイク作『ときめきミッドナイト』が『Cookie』(集英社)や増刊の『Cookie BOX』にて7年にわたって連載された。

 さらに時を経て、『りぼん』での連載終了から約27年後の2021年。同じく『Cookie』で『ときめきトゥナイト それから』が、連載開始された。

 ヒロインは、なんとアラフォーになった主人公・真壁(旧姓:江藤)蘭世で、彼女を取り巻く日常が懐かしい顔ぶれとともに描かれていた。なお、2021年時点で電子版を含めたシリーズ累計発行部数は3000万部を突破。新しいファン層を獲得することにも成功している。

 少女だったキャラクターが、月日を経て母となり、さらに人生の歩みを進めていく姿が描かれている続編は、キャラクターたちの意外な“そのあと”を見ることができたり、当時と変わらない“ときめき”を与えてくれたりと、現在でも多くのファンを魅了しているようだ。

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