■1998年に445万部! 発行部数1位の時代を彩った『マガジン』の漫画たち
『マガジン』は1998年に445万部を記録し、『ジャンプ』よりも売れる漫画雑誌となっていた。
当時の連載陣には、森川ジョージ氏の『はじめの一歩』、原作:天樹征丸氏・金成陽三郎氏、作画:さとうふみや氏の『金田一少年の事件簿』、原作:安童夕馬氏、作画:朝基まさし氏の『サイコメトラーEIJI』、藤沢とおる氏による『GTO』が人気を博していた。
筆者もこよなく『マガジン』を愛していたものだ。筆者がとくに好きだったのは1997年から連載スタートとなった原案:さいふうめい氏、作画:星野泰視氏による『哲也−雀聖と呼ばれた男』だった。
当時、ちょうど社会人になっていたころで、麻雀を先輩たちと打つことがあったのだが、この漫画の影響を受けて、強い人は“玄人”(バイニン)と呼ばれて、すぐに鳴かれてしまうヤツは“ダンチ”と言われていた。いや、ダンチも作中では玄人なので、素人よりは十分強かった気がするのだが……。
でも、なんでも麻雀で勝負するこの作品は面白かった。イイ人っぽい登場人物が急に豹変して、悪そうな顔になるのが怖かったぞ。
■1983年に228万部! 発行部数1位の時代を彩った『サンデー』の漫画たち
さて、『サンデー』の発行部数は1983年に228万部を記録しており、これは令和まで続く同誌の歴史において最高発行部数となっている。当時はラブコメ路線が新たなジャンルとして登場し、高橋留美子氏の『うる星やつら』、あだち充氏の『タッチ』がスーパーヒットしていた。
当時小学生だった筆者は、‟ラムちゃんみたいなお嫁さんがほしい”と切に願っていたな。あのころは可愛い思い出だったが、40代半ばの中年となった今、‟そんなお嫁さんが来たら……”なんて考えたら、きっと家族に気持ち悪がられるに違いない。
そして『タッチ』だ。野球少年だった筆者にとって特別な漫画だった。泥臭くなく、恋愛模様を描いているのが斬新で、子どもながらに上杉和也と子犬のシーンは読み飛ばした記憶がある……。
そういえば、当時の少年野球は丸刈りが基本。筆者も小学4年生から“一厘刈り”と称する髪型をさせられていた。ゆえにタッチに出てくる新田君には心底憧れていたぞ。なんで野球は基本が坊主なんだろう。中学生になると一層カッコよくなる同級生もいたが、筆者は“修行僧”なんて扱われていたな……。
ともに同日創刊をし、64年の歴史を誇る『マガジン』と『サンデー』は、なにかとコラボもしている。そういえば『名探偵コナン』と『金田一少年の事件簿』がコラボしたゲームもあったな……。
ここで紹介した漫画を振り返ると、当時の情景も垣間見えてくる。懐かしい漫画を一気読みしたくなるぞ。