1985年9月『スーパーマリオブラザーズ』発売!『スパルタンX』や『スペランカー』も…同年にリリースされた魅力満載の“横スクロールアクションゲーム”3選の画像
ファミコン版『スパルタンX』(編集部撮影)

 ファミコン史上の名作といえば、多くの人が1985年9月に発売された『スーパーマリオブラザーズ』を挙げることだろう。筆者も異論はない。「スーマリ」という略語が全国各地で通用するほどで、大フィーバーを巻き起こしたものだ。

 しかし、同年に発売された「スーマリ」と同じ横スクロールのアクションゲームにはほかにもある。そこで、筆者おすすめの魅力的な作品を3つ紹介しよう。

■ジャッキーどこいった? 映画とまったく違うが面白かった『スパルタンX』

 まずはパッケージからジャッキー・チェンを彷彿させた『スパルタンX』(任天堂)で、6月に発売されている。ジャッキーの名作映画をモチーフにしており、主人公・トーマスがさらわれたヒロイン・シルビアを助けに行くストーリーは映画とまったく一緒だ。

 しかし、設定はまるで違う。シルビアが捕らわれている館の中を進んでいき、各階のボスキャラを倒して上の階へと進む。ボスには武器を使うタイプや怪力の男らがいるので、どちらかというとブルース・リーの『死亡遊戯』を彷彿とさせるものだった。

 映画『スパルタンX』の公開は1984年だったが、当時は小学生だけに親と一緒じゃないと映画館に行けなかったし、筆者の家にはビデオデッキがまだなく、レンタルビデオも利用できなかった……。そうなるとテレビで放映されるのを待つしかないのだが、ゴールデン洋画劇場に登場したのはゲーム発売から約半年後。いわばどんな映画か知らなかったからこそ、逆にスッとゲームの世界観に入っていけたのかもしれない。

 まだまだ初期ファミコンなので、ボタン操作はパンチとキック、それにジャンプを組み合わせて闘う。しゃがんだ状態でのキック(足払い)もでき、これはラスボスのMr.Xとの対決では“ハメ技”として重宝できた。横スクロールアクションだが、戻ることもできるので両サイドにスクロールできるのも良かった。

 まあ、それにしても映画の要素はほとんどなかったな。この映画は『プロジェクトA』と並んでジャッキー映画の最高傑作で、とくに城に潜入するジャッキーが丸太を使って壁をよじ登るシーンには人間か?と驚かされたものだ。

 ただ、映画のクライマックスでジャッキーが元アメリカンキックボクシング世界王者のベニー・ユキーデとの対決に燃えたように、ゲームでもボス戦があってタイマンとなるのは熱い展開だった。ゲームシステムもとてもシンプルなだけに、逆に爽快感があって面白かった。筆者の周りでも男子を中心にみんな持っていたな。

 でも映画を観たあと、クラスメイトがみんなして「あれ? ジャッキーってどこいった?」と言っていたぞ。パッケージがジャッキーなだけにがっつり登場すると思っていたが、ちょっと肩透かしを食らった感じだったな。

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