■英雄たちの最期の執念に“詰む”プレイヤー続出…『ロマンシング サ・ガ2』七英雄
1993年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された『ロマンシング サ・ガ2』は、ストーリー面、戦闘面において前作同様、高い自由度を有するシステムとなっており、多くのファンを生み出した名作だ。
本作で主人公たちに立ちはだかるのは、古の英雄であり、その大きすぎる力から人々の脅威となった存在・“七英雄”である。一人一人でも屈指の強敵揃いなのだが、本作のラスボスは、その七英雄が集結したいわば“集合体”とも呼べる存在で、巨大な肉塊に七人の肉体が同化したおどろおどろしい姿をしている。
ボスとして“英雄”の実力をいかんなく発揮する彼らだが、実は真に恐ろしいのはその高い戦闘能力だけではない。
彼らの本体と戦う前には、あらかじめ七英雄を一人一人撃破していく必要があるのだが、その最後の一人を撃破した直後、なんとラストダンジョンから帰ることができなくなってしまうのだ。
戻ろうとしても「‥‥逃さん‥‥ ‥‥お前だけは‥‥」という呪詛ともとれる一言が表示され、強制的に引き戻されてしまう。すなわちこの段階でセーブをしてしまうと、ラスボスに敵わない実力であった場合、絶対に勝利することができない、いわば“詰み”状態になってしまうのだ。
一応、突入前に「この先は引き返せないぞ」という警告が出るのだが、これを無視してセーブしてしまい、最後に愕然としたプレイヤーは決して少なくはないだろう。自分たちを撃破した主人公をなにがなんでも仕留めてやるという七英雄の執念が感じられる、どこかゾッとしてしまう演出だ。
ゲームのボスキャラといえば高い戦闘能力はもちろんだが、それ以外にも多種多様な方法でプレイヤーたちの精神を責め立ててくる。今までの苦労を無にする回復魔法、アイテム使用者を確実に死に至らしめるカウンター技、仕切り直しを許さないあまりにも非情な一言……など、そのどれもがプレイヤーを愕然とさせ、おおいに絶望させてしまうことだろう。