■もともとは敵モンスターだった「ぷよぷよ」
また1991年から続くパズルゲーム『ぷよぷよ』もまた、もともとは別ゲームの派生作品。
12月11日に最終回を迎えたTBS系ドラマ『アトムの童』でも、主人公・那由他と宿敵である興津社長の距離を縮めるための重要アイテムとして使われた国民的人気ゲーム『ぷよぷよ』。
同作は、実はコンパイルから1989年に発売されたRPG『魔導物語』シリーズの登場キャラクターたちが利用されている。
毎作設定が異なることから、ゲームの説明書では主人公のアルル・ナジャのページに「ゲームによって年齢が上がったり下がったりする」「ゲームによって微妙に違った人生を送っている」などと記載されることも。設定が安定しないのも、それを面白おかしく扱っているのもこの時代ならではの良さを感じる。
中でも『魔導物語』と『ぷよぷよ』での“ぷよ”の扱いの差には驚かされる。『ぷよぷよ』では4つ以上つなげると消えるおなじみのぷよぷよだが、『魔導物語』では主人公に対して体当たりによる直接攻撃と体液の放出をしてくる敵キャラクターであった。丸くてかわいいぷよぷよの意外な一面だ。
■ダークな世界観のRPGに「カービィ」が?
最後は、明言こそされていないもののファンの間でまことしやかに囁かれている「カービィ」について。
1992年4月27日に第1作『星のカービィ』が発売されたが、その1か月前となる3月27日発売のスーパーファミコン用RPGゲーム『カードマスター リムサリアの封印』のプロローグの一枚絵に、カービィらしきキャラが登場していたというのだ。
赤い背景の中にモンスターがひしめく中、確かに画面にはカービィそっくりの黒目をした丸いモンスター(?)が2体いるようにも見える。
そしてゲームの開発元はどちらもハル研究所で、『カードマスター リムサリアの封印』も『カービィ』と同じく石川淳氏と安藤浩和氏が音楽を担当。これらのことから、一瞬映る一枚の絵に翌月発売の「カービィ」が遊び心で仕込まれていた可能性があるという説が広がっている。
さらに2011年には、ゲーム『あつめて! カービィ』の内のサブゲームとして明らかに『カードマスター』のパロディ作品と思われる『カービィマスター』というゲームも作られた。ゲームロゴは『カードマスター』そっくりで、内容も他ゲームのパロディなど小ネタが満載だった。前出のマリオやぷよぷよとは違い、これが「カービィ」の元作品というわけではないが、意外すぎる2作品のリンクにファンからは驚きの声が上がった。
今は誰もが知っているキャラクターも、ここまでの不動の地位をモノにする前には相当の紆余曲折があったようだ。