大人から子どもまで、世界中で遊ばれている日本のゲームたち。2023年春には映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の公開が予定されているが、ゲームの面白さはもちろんそれぞれのキャラクターが魅力的。マリオをはじめ、ピカチュウにリンク、サムスにソニックにロックマン(海外版ではMEGA MAN)など、彼らは全世界で知らない人はいないというほど、代表的な日本のアイコンとなっている。
しかし不動の地位を築いているそのキャラたちの中には、実は別作品のモブキャラクター出身のものもいるということはご存じだろうか。昭和のファミコン世代にはおなじみだと思うが、今回は改めて華麗なる大出世を遂げた人気ゲームキャラたちを振り返りたい。
まずは任天堂の『スーパーマリオシリーズ』のマリオ。1985年発売の横スクロールアクションゲーム『スーパーマリオブラザーズ』から始まり、『ドクターマリオ』『マリオカート』『マリオパーティ』などのスポーツゲームやボードゲーム、ロールプレイングゲームなどジャンルを問わずさまざまなゲームが発売されてきたマリオ。全シリーズの累計の売り上げは全世界で5億6000万本以上を突破しており、「最も売れたゲームシリーズ」としてギネス世界記録にも認定されている。
そんなマリオが世の中に出てきた初登場は、1981年に稼働がスタートしたアーケードゲーム『ドンキーコング』だった。
同作は下のステージから上にはしごを使って登っていくゲームで、ドンキーコングにさらわれた恋人のレディを救い出すのが目的。プレイヤーが操作するのは見た目もカラーリングも明らかに現在のマリオなのだが、この時点ではまだ彼に名前がついていなかった。のちに『スーパードンキーコング』として人気を博するゴリラのキャラを操作する横スクロールアクションゲームの源流もここからだが、このときの彼は敵キャラだったのにも驚きだ。
ジャンプマンや救助マンと呼ばれていた名もないマリオに「マリオ」という名前がついたのは翌年の1982年稼働開始のアーケードゲーム『ドンキーコングJR.』でのこと。しかし今度の彼は敵役で、このゲームはマリオに幽閉されたドンキーコングを、息子のドンキーコングジュニアが助けに向かうというアクションゲームだった。このとき、マリオがムチを使って敵キャラクターをジュニアに突撃させるという攻撃方法も今にして思うと意外だ。
マリオが今のようにひょうきんな配管工になるとは、このときは誰も想像しなかったことだろう。