■崖の上から落ちてくる3つのボールをキャッチするため無数の岩を「素手」で破壊!
高橋陽一氏の『キャプテン翼』といえば、多くのサッカー選手に影響を与えた不朽の名作サッカー漫画だ。1981年よりスタートした本作は『キャプ翼』の愛称で社会現象まで起こしたが、1988年に最終回を迎える。その後『ワールドユース編』などを経て、現在はスピンオフ読切『MEMORIES』が連載中だ。
同作には「ドライブシュート」や「オーバーヘッドキック」など神業レベルの技が登場し、世のサッカー少年やファンを夢中にさせた。ところが、話が進むにつれ多くのキャラが「必殺シュート」を持つようになり、アクロバットな兄弟技「スカイラブハリケーン」や超破壊力の「タイガーショット」なども登場。守る側であったゴールキーパーも、若島津健が繰り出す「手刀ディフェンス」やゴールポストを利用した「三角飛び」など派手な演出が描かれるようになった。
そんな『キャプ翼』のキーパーの中で「鋼鉄の巨人」の異名を持つデューター・ミューラーが受けた「特訓」は突出している。ドイツユース代表チームに所属していたミューラーは既にプロのスカウトを受けていたが、師匠・ギュンターとの修行が終わるまでプロ入りは許されなかった。そして、ギュンターによる『キャプ翼』史上“伝説”とも呼ばれる「特訓」が以下の通りだ。
まず、切り立った崖から人間の胴体やそれ以上の大きさがある岩とともに3つのサッカーボールを投げ落とす。そのサッカーボールを「冷静な判断力と動物的反射神経」を駆使しながらキャッチするというもの。「巨人」と称されるミューラーよりも大きな岩を砕き、その後ろにあったサッカーボールをとる「特訓」はすでにサッカー漫画の枠を越えた格闘漫画に思えた。
ちなみに、続編となる『ROAD TO 2002』での日向小次郎は、「バランス矯正ギブス」と称してブリーフ一枚に全身を「鎖でグルグル巻き」姿で登場しファンを驚かせている。