■幻海との特訓がまさに「地獄」であった?修行シーンを斬新な方法で表現!
スポーツ漫画だけでなく、もちろんバトル漫画でも壮絶な特訓シーンが描かれてきた。最後に紹介するのは、1990年より約4年間連載されていた冨樫義博氏による漫画『幽☆遊☆白書』。交通事故で亡くなった主人公・浦飯幽助が霊界探偵として活動し、後にさまざまな戦いに巻き込まれていく物語だ。
本作では強敵があらわれるたびにレベルアップしなければならず、必然的に「修行」や「特訓」が必要になる。なかでも、幽助が幻海から奥義を受け継ぐための修行内容が凄い。まず、針の上に指一本で逆立ち、気を抜くと死ぬレベルの幻海の霊波動を受け止める、火の上で座禅して針の山で寝る、ギプスのような「呪霊錠」を手足に装着させ霊力をあげる……などなど。あの世に行った幽助が「地獄」と称するほどならば相当にキツかったことも伺える。
また、作中では修行シーンの“短縮”を狙う演出で、「時間」と書かれた紙が舞ったり「特訓」「レベルUP」と書かれたコマがスピード線とともに登場していた。冨樫氏ならではの遊び心あるコマ運びと言えるだろう。
今回紹介した「特訓」3選は、どれもが常識レベルを軽く凌駕した内容ばかりである。だが、大鉄球を鉄バットで打ったり、体を縛られ丸太で殴る「大特訓」などが存在する「少年漫画」。これからも、私たちファンの想像をはるかに超えた「特訓」が生まれるのを期待したいと思う。