■作ってみたい!アイデアいっぱいの節約メシ『凪のお暇』
最後に紹介するのは、2019年7月に主演・黒木華でドラマ化されたコナリミサト氏の『凪のお暇』(秋田書店)。ご飯がストーリーのメインではないのだが、出てくるメニューがすべて美味しそうだと話題となり、ドラマ公式ホームページでも、“凪めし”として紹介されていた。
本作は、常に周囲に合わせて目立たず謙虚に生きていた主人公・大島凪が、さまざまなストレスから解放されるために都心から郊外に引っ越しをし、新生活を始めていく物語。ストーリーの面白さもさることながら、凪のアイデアいっぱいの“節約メシ”にはかなり惹かれるものがある。
たとえば、貧乏アパートの隣人である白石親子と作った「土鍋プリン」「ミルクジェラート」「フライパンまるごとちぎりパン」などのレシピは、子供でも作れる手軽さで、つい試したくなってしまう。そして、美味しそうに食べる描写が盛りだくさんなのも、この作品の醍醐味だと思う。
つましい生活ながらも、ストレスを抱えていたころよりも何倍も楽しそうに知恵と遊び心で生活を楽しく変えていく凪。凪のように“お暇時間”を作ることはなかなかできなくても、“凪めし”を真似て同じ味を堪能することで、リフレッシュにつながるかもしれない。食の力は本当に偉大なのだ。
「食」を取り巻く環境は漫画によってそれぞれだが、「美味しそう」「真似できそう」「食べたことがある」といった要素は、漫画のキャラを身近に感じられる要素でもあり、 共感できるポイントでもある。
ぜひ、この秋は飯テロ漫画を読みつつ、作中に出てくるご飯を楽しむ読書&食欲の秋と欲張りに過ごしてみてはいかがだろうか?