国生さゆりさん「55歳になっていい具合に萎えた…」1年以上かけた小説執筆の背景に“心の変化”の画像
国生さゆりさん (C)ふたまん+
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 1980年代の国民的アイドルグループ「おニャン子クラブ」でデビュー後、芸能界の第一線で活躍し、多くのファンを魅了してきた国生さゆりさん。その国生さんが1年以上かけて書き続け、このほど完結を迎えたオリジナル小説が、公募コンテストの1次選考を通過したことが話題になっている。

 ライトノベル系小説を対象とした「第3回 HJ小説大賞(前期)『小説家になろう』部門」で、2755作品の応募の中から335作品に選ばれたのだ。16日、国生さんがツイッターで報告すると、ファンからは「いつから小説家!すげぇー!おめでとうございます!」「タレント・俳優・小説家という顔を持つさゆりさんに感謝です」といった祝福と驚きのコメントが相次いだ。国生さん本人に話を聞いた。

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「こんにちは、よろしくお願いしまーす」

 都内JR目黒駅からほど近いオフィスに取材にうかがうと、国生さんは優しくほほ笑んで迎えてくれた。今夏のトレンドカラーである黄色の襟ギャザーブラウスに黒のパンツのコーデ。小顔は健在で、優しくミステリアスな目元。そして、透き通るような美肌。アイドル時代を彷彿とさせる美しさだ。

 まずは単刀直入に、小説を書き始めたきっかけを聞いてみた。

「以前から頭の中にアイデアはあったんです。でも文章を書いたことがなかったし、自分で書くつもりもなかった。それで、マネージャーさんに『誰かストーリーを書ける人いないかな』と相談したら、とりあえずどんなことを書きたいのか箇条書きにしてみたらと言われて。それで、メモを2、3枚書くつもりが、いつの間にか長編になっていました(笑い)」

 国生さんが、“本名:國生さゆり”のペンネームで小説投稿サイト「小説家になろう」に連載した処女作は『国守の愛』。経済界を牽引する企業グループ会長の一人娘・富士子が指揮を執り、秘密裏に研究開発を行う「液体ディバイス」をめぐるSF小説である。

 国を守る任務と愛する女性の間で葛藤する男性・要(かなめ)。そんな彼にいじらしくも真っすぐ恋をする富士子。闘争に巻き込まれながらも惹かれ合う男女の物語で、戦闘シーンあり、三角関係あり、裏切りあり、どんでん返しあり。好きな小説に「高村薫さんの『マークスの山』『照柿』、馳星周さんの『不夜城』」(国生さん)などを挙げるだけあって、ハードボイルドで骨太な作品となっている。

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