■ララァとシャアはやっぱり悲恋?
このようにセリフの端々から、それぞれのキャラたちの細かい情報が分かる『ドラクエ4シアター』だが、それもやはり大変豪華な声優たちによる演技あってのものだろう。
第1章で無骨ながらも優しさあふれる戦士・ライアンを演じたのはダスティン・ホフマンやマイケル・ダグラス、『ジュラシック・パーク』グラント博士など洋画吹き替えで知られる小川真司。その相棒であるホイミン役は、『ONE PIECE』ルフィ役の田中真弓が担当していた。CDから聞こえる田中ホイミンは無邪気な愛らしい声で、その後に人間の姿(?)として登場するシーンでは絶世の美形を想像させる凛々しい声を聞かせてくれる。この場面はセリフは少ないながらも感涙必至のシーンのひとつなので、ぜひ一度聴いていただきたいところだ。
その他、アリーナ姫を『魔法騎士レイアース』の龍咲海役で知られる吉田古奈美(現・吉田小奈美)が務め、『ヤッターマン』のボヤッキー役で知られる八奈見乗児がひと癖ありそうなブライを演じ、3章・トルネコは玄田哲章が担当するなど、どの章にも超実力派の声優が登場した本作。
特に筆者が驚いたのが、勇者の宿敵・ピサロを池田秀一、その恋人・ロザリーを藩恵子という「シャアとララァ」コンビが演じていたことだ。そのうえ池田・藩両氏が本作で“悲恋”の男女を演じているのだから、思わずシャアとララァを思い浮かべてしまうのは避けられなかった。
また、ガーデンブルグの女将軍を緒方恵美、ナレーションを石坂浩二氏に任せているなど、今さらながら夢のようなキャスト陣だった。