30年ぶりに聞いてみた『ドラゴンクエスト4』ドラマCD…ルフィ・田中真弓に『機動戦士ガンダム』ララァ&シャアコンビも出演する超豪華布陣だったの画像
画像は『CDシアター ドラゴンクエストIV』(筆者撮影)
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 1990年2月11日にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売となった『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』。「天空シリーズ」第1作であり、ファミコン版『ドラクエ』最後の作品でもある同作は、シリーズ初のオムニバス形式がとられた作品。各章ごとに個性豊かなキャラが登場し、それぞれが運命に導かれるままに勇者のもとに集まっていくというストーリーだが、当時の少ない容量ではキャラの声はもちろんなく、苦悩する勇者の表情さえも、小さなドット絵や周囲のキャラのセリフから読み取るしかなかった。

 そんな我々の“想像”を補完したひとつが、当時エニックスより発売された高屋敷英夫氏や久美沙織氏による『小説ドラゴンクエスト』や、「CDシアター」と銘打たれたドラマCDで描かれた物語だった。「CDシアター」では『ドラゴンクエストI』から『ドラゴンクエストVI 幻の大地』までがドラマ化されており、この記事を書くにあたり奥付などを読み返してみると、あらためて声優陣の豪華さに驚かされてしまった。

 そこで今回、30年もの時を経て筆者が『CDシアター』を振り返ってみたい。最初に取り上げるのは『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』。バトランド国王のもとに王宮の戦士たちが招集されたところから物語は始まる……。

■王宮戦士ライアンは30歳で旅立ち40歳過ぎてからイムルの村を訪れた?

『ドラゴンクエストIV CDシアター(※以下、ドラクエ4シアター)』のジャケット絵を担当したのは、ゲーム『テイルズ オブ』シリーズやアニメ『新世紀GPX サイバーフォーミュラ』で知られる、いのまたむつみ氏。

 ハードカバーの表紙にはその巻に登場するキャラがメインを飾っており、1巻をライアンとアリーナ一行、2巻をトルネコとモンバーバラ姉妹、3巻を男主人公・レイとピサロが大きく描かれている。CDにはそれぞれ20Pのイラストブックレットが付属されており、そこには当時のファミコン版ではドット絵や最終形態の醜い姿でしか知らなかったピサロの姿が、いのまた氏の美麗な絵で見られた。

 今回『ドラクエ4シアター』で最初に驚いたのが、王に年齢を聞かれたライアンが「三十路をむかえております」と答えたことだ。イムルの村で誘拐事件を解決した後にライアンは勇者探しの旅に出るも、それがどのぐらいの年月かけたのかをプレイヤーが知ることはなかった。

 CD3枚を一気に聞くと時間の流れを実感するが、助けた子どもたちがそれぞれ兵士や家業を継いでおり、事件から10年は経過していることが分かる。つまり、ライアンは30歳から40歳になるまで勇者探しの旅を“ひとり”で続けていたことになる。第5章でライアンは他メンバーから遅れて最後にパーティに加わるが、ホイミンとの別れのあとで彼は10年間も孤独に勇者を探し続けていたのだ。当時ファミコン版で、戦士タイプが加わったことで「これで戦いが楽になる」と喜んでいたが、彼の厳しい道のりを考えると単純にはしゃいでいる場合でもなかったのかもしれない。

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