■狼の名を持つ孤高の狙撃手「スナイパー・ウルフ」

 スナイパー・ウルフは、クルド人の天才狙撃手。並外れた狙撃の腕はもちろん、飲まず食わずで1週間近く同じ体勢を保つことができる女性だ。物語では、核搭載二足歩行型戦車「メタルギア」を探して通信棟へ近づこうとしたスネークやメリルと交戦。一度目は引き分け、二度目の狙撃戦でスネークに敗れた。

 二度目の狙撃戦は、『メタルギアソリッド』の中でも屈指の名勝負として知られている。ブリザードが吹き荒れる雪原で、数少ない遮へい物を挟みながら、スネークとウルフは一騎討ちを行う。プレイヤーは狙撃銃をスコープ越しに覗き、1秒でも早く相手を見つけて先制しなくてはならない。さらにウルフはメリルを撃った仇でもあるわけで、こちらにのしかかる緊張感や重圧は相当なものだった。

 当時のゲーム機の限界なのか、雪原は近くしか描写されず、ある程度離れたところは真っ暗闇でなにも見えない。今思うと、遠くをまったく見通せないことが隠れ潜むスナイパーの恐怖感を演出していたようにも思える。

 のちにスネークの相棒となるハル・エメリッヒ博士(通称:オタコン)はウルフと親交があり、致命傷を負った彼女がスネークによって介錯されるまでの出来事を経て、大きく成長していったのも印象深い。何のために戦うのかを問うオタコンと、それに「生きて会えたら答えを教えてやる」と言うスネークの問答は、作中でも指折りの名シーンだろう。

 スナイパー同士による狙撃戦は、本作のスナイパー・ウルフ戦だけでなく、『メタルギアソリッド3 スネークイーター』のジ・エンド戦、『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』のクライング・ウルフ戦、『メタルギアソリッドV ファントムペイン』のクワイエット戦などでも行われた。『メタルギア』シリーズの開発陣には、スナイパー好きな人がいたのかもしれない。


『メタルギアソリッド』は名作だが、遊ぶ手段が限られているのが惜しい。現状では、初代プレイステーションのオリジナル版をプレイするか、それ以外では、プレイステーション3、プレイステーション・ポータブル、プレイステーションVitaのいずれかを手に入れて、本作のゲームアーカイブス版を購入する必要がある。最近はソニーが運営している定額サービス「PS Plus」がリニューアルされたので、そちらのフリープレイ対象に本作が登録されるのを期待したい。

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