『ファイナルファンタジー6』(スクウェア/1994年4月2日発売)がスーパーファミコンで発売されてから28年が経つ。複数の主人公が絡み合う秀逸なストーリーと、ドットで繊細に描かれた味のあるグラフィック。さらには植松伸夫氏の生み出した最高のBGMに、多くのファンが心を奪われた。
最初はファミコンで産声を上げたFFシリーズだが、スーファミ時代の作品になじみのあるファンも多いはず。そして、現在人気を誇っているオンラインゲーム『ファイナルファンタジー14』(スクウェア・エニックス)にも、そんなスーファミ時代を彩った個性豊かなボスがたくさん登場することをご存知だろうか。
当時のファンが見れば、どこか懐かしさをおぼえる特徴はそのままに、現在の美しいグラフィックで再現されたキャラクターたち。今回はそんな『FF14』に登場する、スーファミ時代を代表する個性派のボスキャラをご紹介したい。
■『ビッグブリッヂの死闘』でおなじみの「ギルガメッシュ」
背中にいくつもの武器を背負った、赤ずきん姿の男「ギルガメッシュ」。『FF5』ではラスボス・エクスデスの親衛隊長を務めながら、主人公バッツ用に仕掛けられた宝箱の罠に引っかかった“うっかり者”。エクスカリバーの偽物「エクスカリパー」で戦うはめになり、怒ったエクスデスに次元の狭間に飛ばされるという、ちょっぴりマヌケなボスだった。
敵ながら義理人情に厚く、戦いを重ねるうちにバッツたちに好感を抱いていくギルガメッシュ。次元の狭間でバッツたちを助けるために自爆した場面は、FFシリーズでも屈指の名シーンとして記憶している人も多いことだろう。
そして『FF14』のギルガメッシュは、通称「事件屋シナリオ」などと呼ばれている大人気のサブストーリーに登場。コミカルな探偵もののストーリーになっていて、ギルガメッシュの“ユルい役柄”はまさにうってつけ。味方になったり、戦うことになったりと、コロコロと立ち位置が変わるのが絶妙で、憎めない愛されキャラとして描かれている。
戦闘後に「今日はこれくらいにしといてやる!」と、『FF5』でもおなじみの捨てゼリフを吐いて逃走するのもお約束。相棒の“エンキドウ”の脚につかまって脱出を図るが、飛べずに橋の下に転落……。そのとき主人公が心配した表情のまま勝利のファンファーレが流れるシュールな場面は、いろんな意味で見どころかもしれない。
また、ギルガメッシュといえば『ビッグブリッヂの死闘』の疾走感あふれる独特のメロディを思い浮かべる人も多いはず。『FF14』のサウンドチームによって新たに編曲された『ビッグブリッヂの死闘』を聴くことができる。