■システムの限界を超える!?「超高速の連打技術」
SQR氏はコントローラーの左右を握る一般的な持ち方で、テトリス界隈では「DAS」と呼ばれる技術を用いる。コーリャン氏は十字キーを操作する左手は普通に握りながら、ときどき正面に構えた右手の指で前方の十字キーを押すという独特な操作法を披露。月好き氏はコントローラーを縦に持っていた。
そしてコーリャン氏と月好き氏は「ハイパータップ」と呼ばれるテクニックを駆使。これはエンドレスモードの高レベルを突破するために確立された連打法で、十字キーを高速連打することでブロックを一瞬で移動させられる。このハイパータップを使いこなすために、選手によって持ち方が大きく違うらしい。
十字キーを長押しして移動させる従来のやり方では、エンドレスモードにおけるブロックの落下速度に対応しきれないという。ハイパータップの登場によって状況は大きく変わったが、一方で実践における負荷は大きく、筋肉痛を含めた肉体面のリスクがあることも解説されていた。
りょくちゃ氏はコントローラーを縦持ちしているが、彼はハイパータップではなく「ローリング」と呼ばれる最新の連打テクニックを使う。まず押したい十字キーの上に指を固定し、その状態でコントローラーの背面をもう一方の手の人差し指や中指で弾く。複数の指を使って生まれる振動を利用することで、通常ではありえない連打を行っていた。
この「ローリング」により、秒間20回から25回ほどの連打が可能になるとのこと。これは、かつて高橋名人が達成したという秒間16連射という記録を大幅に上回る。
これらの卓越したテクニックが飛び出す1時間にも及んだスコアアタックで、選手たちは90万台のスコアを記録。中には100万を超えるシーンも見られ、『テトリス』のトッププレイヤーにふさわしい、ハイレベルの戦いが繰り広げられた。
そんな「RTA in JAPAN Winter 2021」は、12月31日まで開催中。ライブ配信サービス・Twitchの「RTA in Japan」公式チャンネルでは各競技がリアルタイムで配信されるほか、YouTubeのほうでも過去に行われた競技のアーカイブを見返すことができる。興味を持った方は、ぜひライブ観戦しながら盛り上がってほしい。