ファミコンを知らない世代が、高橋名人の思い出を胸に伝説のSTG『スターソルジャー』に挑むの画像
ファミコン『スターソルジャー』(編集部撮影)
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 1秒間に13連射、というのは私の記録。数年前、1秒間のクリック数を計測するサイトで打ち立てた。だが同じ1秒でも、高橋名人なら16回もいけるらしい。コントローラーのボタンを1秒間に“16連射”するという伝説を打ち立てた、かの名人は80年代のファミコンブームの中で時の人となり、「ファミコン名人」たちの先駆けとなった人物だ。

 私は一度だけ、高橋名人をじかにお見かけしたことがある。たしか二十歳になるか、ならないかという時期で10年はたっていないはず。とあるゲームイベントに参加したときのことだ。当時のファミコンブームやご自身について語られた高橋名人は、参加者を対象にしたじゃんけん大会を開催。最後まで勝ち抜いた少年に、名人は手のひら大の機器をプレゼントしていた。

 ファミコン世代の方ならすぐにピンとくるのだろうが、当時の私は何の機器かよく分からなかった。あとで調べてみると、あれは“シュウォッチ”の略称で知られる「シューティングウォッチ」という商品。ハドソンから発売された、連打を測定するおもちゃだ。

 シュウォッチを手にした少年は、当時の私よりも明らかに年下。高橋名人が名人と呼ばれるゆえんも、当然シュウォッチのことも知らなかっただろう。少年がどう思っていたのかは分からないが、名人の前で連打を披露するのは、80年代のファミコン熱を知る世代からすると、一度は夢見た光景なのかもしれない。

 私もゲームライターとなり、業界のレジェンドである高橋名人のことは諸先輩方から聞かせていただいた。その名人の代名詞である“16連射”や、その高速連射でスーパープレイを披露していた『スターソルジャー』(ハドソン)のことも。

 1986年に公開された映画『GAME KING 高橋名人VS毛利名人激突!大決戦』では、タイトルにもなった両名人のゲーム対決が描かれ、そのお題としてハドソンの『スターソルジャー』が使われている。本作はファミコンの縦スクロールのシューティングゲームで、難易度は高いが後に続く『ソルジャー』シリーズの原点となったゲームだという。

「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」に収録されている『スターソルジャー』タイトル画面

 今回は、今年6月で発売35周年を迎えたファミコンシューティング『スターソルジャー』に挑戦してみることに。なお本作は「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」で配信されているので、そちらでプレイしてみた。

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