■「かっこいい名前」「強そうな名前」の武器は強い
これはモンスターだけでなく装備にも言えることです。
今でこそ装備の見た目が見えるようになりましたが『ドラクエ7』までは攻略本以外で装備の具体的な形を見ることはほとんどできませんでした。そんな中でいかに装備の名前で強弱を直感的に理解してもらうか、という点で先ほど例に挙げたブーメランはすばらしいバランス感覚だなと感じます。
しかし、ゲーム中のネーミングイメージと現実のイメージがかみ合わないものがあるのも確かです。たとえば、「モーニングスター」。
これはドラクエしか知らなかった私のイメージでは、木の棒とトゲトゲの球を鎖でつないだもので、非力な僧侶などがムチの要領で敵にぶつけるようなものだと思っていましたが、現実のモーニングスターはゴリゴリの打撃用武器。どちらかというと怪力自慢がブンブン振り回して使う武器であったことを知って驚いた記憶があります。
また、「グリンガムのむち」の「グリンガム」が実は造語だということも驚きました。私はずっと「グリンガム」というしなやかだけどとてつもなく固い素材がこの世にはあって、それで作られたムチだから強いのだと思っていましたが、実際はそんなものはなく、北欧神話の伝説上の存在が名前の由来だと知ったときは衝撃を受けました。
「強い」という印象は名前が先か、数値が先か。なんだか分からなくなってきましたが、少なくとも「かっこいい名前」「強そうな名前」の武器が弱いことはないので、ネーミングはやはり重要であり、ドラクエのネーミングは目を見張るものがあると思います。