スーパーファミコンの革新的名作『弟切草』サウンドノベルの祖に衝撃、アダルトな展開にドキドキした記憶も蘇る!?の画像
スーパーファミコン版『弟切草』(編集部撮影)
『弟切草』懐かしのゲーム画面

 ちょうど今から29年前の1992年3月7日、スーパーファミコンの名作『弟切草』(チュンソフト)が発売。来年で発売30周年を迎える本作は、ゲーム史に残る「サウンドノベル」と呼ばれる新たなゲームジャンルを生み出し、のちのアドベンチャーゲーム界に多大な影響を与えた革新的なソフトです。

スーパーファミコン『弟切草』タイトル画面

 従来のアドベンチャーゲームでは、ゲーム画面の3分の2ほどをキャラクターや背景のグラフィックが占め、その下や右にテキストやコマンドが配置されるというレイアウトが定番。

 しかし『弟切草』では画面全体に横書きのテキストが大きく表示され、シンプルなグラフィックが小説の挿絵のようにテキストの背景に置かれているというレイアウト。プレイヤーはそのテキストをAボタンで読み進めながら、ときどき現れる選択肢を選んでストーリーを進めていくというシンプル極まりないゲームシステムでした。

 最初、雑誌等で『弟切草』の紹介記事を見たときはかなり地味なビジュアルに映り、あまり面白そうには思えなかったのが率直な感想です。当時の私は「これなら普通に小説を読めばいいのでは?」などと思いました。

 そのため発売直後は気にもしていなかった『弟切草』ですが、購入した友達が遊んでいるのを目の当たりにして、ようやく本作の画期的なアイデアと面白さを思い知らされたのです。

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