■ドラゴン育成も魅力「おうじょの???」

『バハムートラグーン』 プレイ画面より

 そんな遊び心満載なゲームですから、やはりシステムもかなり独創的。

 シミュレーションRPGと言えば、盤面を支配していくために頭をひねって兵を動かしていく戦略を練るのが醍醐味ですが、その反面、ボタン連打でサクサククリアできる戦闘ではないのですこしハードルが高いのも事実です。

 そこで本作では、シミュレーションRPGの良さでもあるユニットを動かす楽しさにプラスしてセミオートで動くドラゴンを導入しました。このドラゴンの育成が楽しいんです。

『バハムートラグーン』 プレイ画面より

 まずドラゴンは何かを食べさせることでステータスを変化させることができるのですが、キノコから剣や防具、果ては「おうじょの???」「エッチぼん」といった謎?のアイテムまでバクバク食べます。胃袋強い……。

 そして食べたものによって上昇したステータスは人間キャラたちの特殊攻撃の強さなどとも連動しており、ドラゴンの強化はそのままパーティの強化にもつながっていくという作りになっているので、育成がこのゲーム攻略の最大のポイントとなっています。

 また、ドラゴンは特定の条件を満たすことで進化や突然変異します。こうした条件を探しながら育成していく楽しみがあるので、周回プレイも非常に楽しいです。ちなみに周回プレイ時にはアイテムやドラゴンの状態を引き継いでプレイすることができる上に、アイテムごとにどの能力値が上下するのかが分かるアイテムが手に入ります。

 この辺も非常に親切で、プレイヤーが何を求めているのかを理解している感がありますよね。こういった心配りは非常に嬉しいし、周回プレイ時のモチベーションにもなります。ドラゴンは“基本的には”カッコいいデザインのものばかりですので、ぜひコンプリートを目指しましょう!

 オート行動だと、してほしいことをしてくれなかったりといったフラストレーションがたまる場面もありがちですが、本作のドラゴンは非常に頼りになります。「行け」「来い」「待て」というざっくりとした指示を出すことができるのですが、ドラゴンは人間キャラと違い行動範囲が無制限なので、初手で相手までの距離があるため人間キャラがひとまず待機している中、「行け!」と指示を出すことで先制で炎や氷を吐いてきてくれます。速いぞ!サラマンダー!

 それだけではなく、本作の戦闘での攻撃はフィールドにも影響を及ぼします。

 氷属性の攻撃で凍らせて川を渡れるようにしたあと、敵が渡ってきたらその氷を火属性の攻撃で溶かすことで溺れさせる、といった狡猾な戦術もとれるので、ドラゴンのゴリ押しだけではない奥深い戦闘が楽しめます。

 ただ、そういったこと考えるのが苦手だ、という方はレベルを上げまくればゴリ押しでも十分クリアできるお手軽さもある、という側面もあるので広くたくさんの方に遊んでもらいやすい難易度になっているのも大きな特徴です。シナリオ、キャラクター、システムと、すべてが個性的な本作の魅力の一端がほんの少しでも伝わったかなと思います。

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