■お手軽だけど奥深く、重い話なのになんだか明るい。そんなギャップが魅力!!!
まずは本作のあらすじをご紹介します。「ラグーン」という空に浮かぶ大陸から成り立っている大地のない世界オレルスが舞台。オレルスは6つのラグーンを中心に形成されており、その中の1つ「カーナ王国」に主人公・ビュウはカーナ戦竜隊の隊長として仕えていました。
しかしある日、オレルスの制覇をもくろむグランベロス帝国のサウザー皇帝が攻め込み、「神竜」と心を通じ合わせるという「ドラグナー」の血を引く国王が代々治めるカーナ王国は滅ぼされて国王は殺害され、王女・ヨヨはそのドラグナーの力を利用せんとしたサウザーにとらわれてしまい、グランベロスが空を支配しました。
そんな惨劇がもうすでに過去の話になってしまった数年後のある日、からくも孤島テードに逃げ延びたビュウたちはカーナ軍の生き残りを中心に反乱軍を結成し、ドラゴンたちとともに反撃に出るのでした。
ここまでが序章のあらすじ。
まず世界観の説明と、なんとも絶望的な状況から始まるストーリーということでかなりシリアスな展開になるだろう……と思いきや、まったくそんなことはありません。むしろその逆。序盤から「おまえら本当に大丈夫か?」と心配になるぐらいゆるいです。
たとえば、キャラクターたちの初登場シーンにて、キャラ上部に「マハール騎士団隊長・タイチョー」などと表示されるのですが、センダックは「老召喚士・どくしん」、マテライトは「カーナ騎士団 おとめ座・O型」という具合に「いやその情報いる?」という文言がつけ加えられています。
そして、その直後、ビュウの愛竜・サラマンダーに乗ったセンダックはビュウに「ギュっとしてていい?」と聞いてきやがります。おじいさんがなぜかヒロインポジを気どってきます。
このセンダックのセリフは直前に見ているヨヨとビュウの回想シーンから拝借したネタではあるのですが、こうしたところからもスタッフの遊び心がかいま見えますよね。センダックが独身なのも意味合いが変わってくるというか……。ただ、宿敵・サウザーのパートはわりとシリアスなシーンが多く、終盤での彼のセリフにグッと来た人も多いことでしょう。
そんなギャップに翻弄されながらも、終わった後「なんていいゲームなんだ」と実感できるのがバハムートラグーンなのです。
ちなみにとにかく全員のキャラが濃いので、海外の小説などを読んでいるときにカタカナの名前の人物がたくさん出てくると「誰が誰だか分からん!」となるあの現象も起こりにくいです。インパクトが強いので自然と覚えます。ぼくはビッケバッケが大好きです。