思いっきり笑って泣いて、デトックスするなら朗読劇

 

撮影/高橋しのの

――朗読劇のお芝居で意識されていることというのはありますか。例えば映像がない表現には、ドラマCDなどもありますが。

 

朗読劇の特徴としては、生の芝居というドキドキ感ももちろんありますが、例えば難しい言葉や聴いただけではわかりづらい言葉の場合、わざとらしいくらい立てて言うことがあります。その一言から得られる情報をしっかりキャッチしていないと、その後を楽しめなくなる可能性がある場合は、お客様にわかりやすく伝えようという意識が強いかもしれません。ドラマCDだと何度も聴けますから、聴きやすさよりもテンポ感や他の部分への意識のほうが強いかなと思います。

 

――これまで朗読劇に出演されてきて感じた、朗読劇ならではのものというのはありますか。

 

間も重要だなとは思いましたね。キャラクターが感じた間をどう表現するかによって、お客様に伝わる状況というのが変わってくるので。それに、畳み掛けるように相手のセリフを食い合うのは、朗読劇だからできることのひとつです。ドラマCDでももちろん可能なんですが、収録だと別録りしたものを重ねたりするんですよ。でも朗読劇なら、自分たちの感じた間、演じたい間でできる。つい溢れ出てしまった感情というのは、朗読劇のほうがわかりやすいかもしれません。

 

――例えばアニメーションはセリフの尺も決まっていますが、朗読劇だとより自分の感覚でお芝居できるんですね。

 

よりナチュラルな芝居ができる気がします。だからナチュラルな芝居が好きな役者さんには、朗読劇はたまらないんじゃないかと思いますね。でも朗読劇は今、岐路に立っているんじゃないかと、僕個人としては思ってまして。今は配信もありますが、朗読劇は自宅で何かをしながら観るには適していないと思うんです。どうしても会場に来られない方や時間が合わない方にもお届けできるのは嬉しいことですが、やっぱり生に勝るものはないというのが正直なところで、劇場まで来ていただかないと本質的なものはお届けできない気がするんです。でも会場まで行くなら、フリートークなどのバラエティ要素が多いイベントのほうがいいという方もいらっしゃる。そんな中で、声優の本流である朗読劇というものの良さをどうお伝えしたらいいのか、やっぱりみんな悩んでますね。

朗読劇って、すごくいいものだと思うんですよ。動かないからこその良さ、全部を提供しないがゆえのわびさびがある。僕は、脳に響く情報というのは耳から入るものだと思っていて、目からの情報はどちらかと言うと背中がゾワゾワするような情報だと思うんです。耳からの情報は脳に直で行くイメージなので、朗読劇は笑ったり泣いたりしやすいんじゃないかなと。だから僕は、デトックスするなら朗読劇だと思いますね。

 

――本作は思いっきり泣いてデトックスできそうですね。

 

はい、それに明日への糧にしやすい作品でもあると思います。朗読劇ってちょっとハードルが高いというか、誰もが気軽に行く場というイメージじゃない気がするんですが、「ちょっと気になるから、行ってみようかな?」くらいの感覚でフラッと行っても全然いいんですよ。ぜひこの作品にも、気軽に来てくれたら嬉しいです。

 

インタビュー最終回(第3回)は来週水曜に公開予定。お楽しみに!

 

ヘアメイク:NOBU(HAPP’S.)
スタイリスト:青木紀一郎


【PROFILE】
岡本信彦  おかもと・のぶひこ

10⽉24⽇⽣まれ。東京都出⾝。B型。多くの⼈気アニメで幅広いキャラクターを演じる実⼒派声優。2009年、第3回声優アワードにて新⼈男優賞を受賞。2011年、第5回声優アワードにて助演男優賞を受賞。 近年の主な出演作として、『TIGER&BUNNY2』(折紙サイクロン役)、『可愛いだけじゃない式守さん』(犬束秀役)、『⻤滅の刃』(⽞弥役)、『僕のヒーローアカデミア』(爆豪勝⼰役)、『ハイキュー!!』(⻄⾕⼣役)、『⻘の祓魔師』(奥村燐役)、『グッド・ドクター 名医の条件』(ショーン・マーフィー役)など。

 

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<作品情報>
朗読劇『君の膵臓をたべたい』

【公演日時】
12月10日(土) <昼の部>12:30開演 <夜の部>18:30
12月11日(日) <昼の部>12:30開演 <夜の部>17:00
※各開演時間の30分前より開場いたします。

【会場】
ニッショーホール(東京都港区東新橋1-1-19ヤクルト本社ビル)

【出演者】
<12月10日・昼公演>島﨑信長 悠木 碧 原紗友里 中島ヨシキ
<12月10日・夜公演>岡本信彦 直田姫奈 古賀 葵 伊東健人
<12月11日・昼公演>岡本信彦 直田姫奈 古賀 葵 伊東健人
<12月11日・夜公演>島﨑信長 悠木 碧 原紗友里 中島ヨシキ

【スタッフ】
原作:住野よる「君の膵臓をたべたい」(双葉社刊)
脚本・演出:保科由里子
音楽:阿部篤志
照明:加島茜
映像:垣内宏太
音響:小川陽平
衣裳:ゴウダアツコ
演出助手:大下沙織
舞台監督:今井東彦 渡辺隆
宣伝美術:古谷哲史
制作:MAパブリッシング
主催:朗読劇『君の膵臓をたべたい』製作委員会

【チケット情報】
料金:8,500円(税込)
ローチケチケット販売ページ:https://l-tike.com/kimisui-reading/
一般発売:11月26日(土)12:00~

 

【朗読劇「君の膵臓をたべたい」公式サイト】https://www.kimisui-reading.com/
【朗読劇「君の膵臓をたべたい」Twitterアカウント】@kimisui_reading

 

©朗読劇『君の膵臓をたべたい』製作委員会

 


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