小野大輔の最新ミニアルバム『Sounds of Love』(2022年10月19日発売)インタビューも、いよいよ最終回。ミニアルバム誕生の経緯を聞いた第1回、「Sounds of Love」「DING DONG」「また会う時は (with 上田麗奈)」の楽曲&朗読について聞いた第2回。続いて語ってもらうのはもちろん、「SUPER SHOCK (with 羽多野 渉)」「Self Satisfaction」について。古くからの声優仲間である羽多野渉と豊永利行とのコラボ曲は、どのように生まれたのか。そして小野大輔の眼差しの先にあるものは。(全3回)
インタビュー「第1回」「第2回」はこちら
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ただ仲の良い先輩後輩じゃなくて、バチバチに戦いたい
――今回も引き続き、ミニアルバム『Sounds of Love』のセルフレビューをお伺いしていきたいと思います。4曲目は「SUPER SHOCK (with 羽多野 渉)」、羽多野渉さんとのデュエット曲です。
羽多野くんとはデビューがほぼ同じ頃で、彼の方が先に売れてたんですよね。僕の同期である上田燿司さんが「小野っちに似ててさ、小野っちよりかっこいい奴いるんだよ。しかもいい奴なんだよ」「なんだよッ、どこの誰だッ!」「羽多野くんっていうんだけどね」と、そこで初めて知ったんです。いざ現場で会ったら、めちゃくちゃ芝居うまいし、いいやつだし、イケメンだし、なんだコイツ!と(笑)。
――(笑)
だから羽多野くんへの最初の印象は、すごくいい奴でライバル。僕のほうが年上なので、羽多野くんは先輩として接してくれているんですが、僕から見れば切磋琢磨してきた仲間という印象ですね。自分よりも輝いてると思うし、こちらも負けずに頑張らないと!と思う存在。そのライバル関係を歌にしてもらいました。「ただ仲の良い先輩後輩じゃなくて、バチバチに戦いたい」「羽多野くんが自分の楽曲でもやってないくらい激しい曲調がいいんじゃないか」と音楽チームに伝えて、仕上がってきた曲です。
――聴いているうちに、チームD(小野のライブに出演するダンサーたち)のパフォーマンスが見える気がしました。
確かに「Firebird」などに近い楽曲ですね。羽多野くんはこういう曲をやったことがなかったらしく、「不安もあるけど楽しみです!」と収録前にLINEをくれたんですが、いざレコーディングしてみたらめちゃくちゃ“オスみ”が強くてびっくりしました。「なんだよ、完全に自分のものにしてるじゃん!」って。かっこよかったですよ。
僕も彼も、普段はまったく攻撃性がないんです。人と争いたくないし、平和であれと思っているタイプ。そしてシンガーとしてよりアクターとして歌を歌う。「自分は演者だ」という誇りを持っているので、自分たちに寄せた曲ではなく、役同士がバチバチに戦うバトル曲にしたんです。
――この楽曲の「Prologue」は、一人の女性を巡って戦うライバル同士が描かれた物語です。この朗読はいかがでしたか。
朗読ではこれを最初に録ったんです。物語としては『ウエスト・サイド・ストーリー』のイメージですが、マインドとしてはまだ役者を始めて数年しか経ってない頃の自分というイメージで演じました。ギラギラして、負けたくないというあの頃の気持ちを落とし込んで演じています。