「好きだった子の声」をイメージする人もきっといる
――具体的には、どのようなディレクションが入るのでしょうか。
シナリオの流れもありますが、押すか引くかの問題が一番多いかなと思います。原作漫画の大ゴマに入っているようなクリティカルな一言に対して、「もっとからかってみてほしい」という人もいれば、「あえていつも通りに振る舞ってみてほしい」という人もいるんですよね。そういう可能性の違いによって数パターン録っておいて、それを画と合わせたときにどうハマるか、みたいな。
――愛が深いスタッフさんとのお仕事は心強い反面、その愛を背負うプレッシャーもありそうですが……。
それはすごくありました! 今こうしてアニメが続いているのはきっと、声が合っていると思ってくださる方が増えてきてくれたおかげだと思いますが、原作の漫画を読んでいるときにその人の脳内で再生される声は、何通りどころか何億通りもあるじゃないですか。しかも『高木さん』には読者の当時の記憶を思い出させるシチュエーションがたくさんあるので、自分が好きだった子の声で再生される方もきっといらっしゃる。それだけの数の正解があるので、みんなの中の“高木さん像”をどうやって音にしていけばいいのか、大きなプレッシャーもありましたし、本当にたくさん考えました。
――「好きだった子の声」は、当時の思い出や気持ちも含めて再生される「声」ですから、ハードルが高いですね。でもそれだけこの原作が、読者の心や記憶の深いところまで届く作品ということだと思います。
はい。こうして劇場版まで続けられたので、今は自信を持って演じていますが、「高木さんにこの声は合わない」という意見には「それはそうだよね」とも思います。「高木さんだもん!」って(笑)。
インタビュー第2回は明日掲載予定。お楽しみに!
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【PROFILE】
高橋李依 たかはし・りえ
2月27日生まれ、埼玉県出身。2016年、第10回声優アワード新人女優賞を受賞。「魔法つかいプリキュア!」(朝日奈みらい/キュアミラクル役)、「Re:ゼロから始める異世界生活」(エミリア役)など、人気実力ともに兼ね備えた今注目の声優。何色にも染まる稀有な表現力と、染まらない確固たる透明感で彩る声に定評があり、多方面で活躍し続けている。
<作品情報>
劇場版「からかい上手の高木さん」
6月10日(金)全国公開
【STORY】
とある中学校、隣の席になった女の子・高木さんに、何かとからかわれる男の子・西片。どうにかして高木さんをからかい返そうと策を練るも、いつも高木さんに見透かされてしまう。
季節はめぐり、3年生に進級した2人。周囲は将来を考え始め、不安と期待が入り混じる中、高木さんと西片の距離は未だ変わらぬまま。そして、中学最後の夏がはじまろうとしていた――。
夏休みが始まる前日、2人は帰り道で偶然ちいさな子ネコと出逢う。その子を「ハナ」と名付け、神社の境内で母ネコを見つけるまで面倒をみることに…。徐々に懐いてゆくハナを見守りながら過ごす2人。ちいさな出会いがもたらした、幸せに包まれた真夏の日々が、あらたな想いを育んでゆく――。
【STAFF】
原作:山本崇一朗『からかい上手の高木さん』『あしたは土曜日』(小学館「ゲッサン」刊)
監督:赤城博昭 / 構成:福田裕子 / 脚本:福田裕子 伊丹あき 加藤還一 / キャラクターデザイン:髙野 綾 / 美術設定:池田祐二 / 美術監督:笠原由紀 / 色彩設計:横井未加 / 撮影監督:牧野真人 / 編集:中葉由美子 / 音響監督:えのもとたかひろ / 音楽:堤 博明 / アニメーション制作:シンエイ動画
主題歌:大原ゆい子「はじまりの夏」(TOHO animation RECORDS)
製作:劇場版「からかい上手の高木さん」製作委員会
配給:東宝映像事業部
【CAST】
高木さん:高橋李依 / 西片:梶 裕貴 / ミナ:小原好美 / ユカリ:M・A・O / サナエ:小倉 唯 / 木村:落合福嗣 / 高尾:岡本信彦 / 浜口:内山昂輝 / 北条:悠木 碧 / 中井:内田雄馬 / 真野:小岩井ことり / 田辺先生:田所陽向 / ハナ:水瀬いのり / 太田:戸松 遥
【予告編】https://youtu.be/PesTvkh1nh4
【公式サイト】http://takagi3.me
【公式Twitter】@takagi3_anime
©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会