声優・福山潤が人気ミステリー作家・青柳碧人の新作と坂口安吾の隠れた名作を朗読の画像
福山潤

 近年ではアーティスト活動や、役者として映画出演を果たすなど、活動は多岐に渡る人気声優の福山潤が、文豪・坂口安吾の隠れた名作を朗読。今回は収録現場に特別におじゃまし、福山のプロフェッショナルな仕事ぶりを目の当たりにした。

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■キャラクターに命が吹き込まれる瞬間


8月某日。都内某所にある収録スタジオに入った福山は、「おはようございます」と真っ直ぐにスタッフ陣に挨拶。この日は、福山がMCを務める対談集「福山潤 プロフェッショナルトーク」(10月22日発売)の限定購入特典である「朗読カセットテープ」の収録が行われるということで、自身も気合十分の様子だった。収録するのは、文豪・坂口安吾から短編「天才になりそこなつた男の話」と「傲慢な眼」。そして、人気ミステリー作家・青柳碧人の最新ミステリー「竹取探偵物語」(『むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。』より。10月22日発売/双葉社)。時代や世界観の違う3作品を福山がどう朗読するのか、期待が高まる。

ブースへ入った福山は、まずは「竹取探偵物語」の台本数枚をテスト朗読。活字で描かれた物語だが、これを福山が音読した途端、その透き通った声によって物語の世界が立ち上がり、キャラクターたちに命が吹き込まれて動き出すのを感じた。これには収録に立ち会った小説の担当編集者が「登場人物が立体的になった」と感嘆。事前に台本を読み込み、物語の世界観を自身の中に落とし込んで入念な準備をしてきたという福山。もちろん、単語の意味やイントネーションは丁寧に調べ上げており、担当編集とは、物語の解釈のすり合わせをし、スムーズな進行に。これはやはり、福山の仕事に対する誠実な向き合い方によるところが大きいのだろう。
「スピードはこのくらいで大丈夫ですか?」と、朗読スピードの確認をしたのちに収録本番へ。福山は、会話劇のリズムを取りやすいスタイルでマイクに立って収録に挑み、スムーズに終了した。

後半は坂口安吾の朗読。福山は、「実はマイク前で行なう朗読がいちばん難しいんですよ」。そういいながら、今度は椅子に座って収録に挑む福山。とくに「天才になりそこなつた男の話」は、「このお話って、古い作品ならではでのおもしろさがありますよね」と、物語を楽しみながら朗読をしていた様子。福山の表現者としての熱い想いが込められた朗読を、カセットテープというアナログメディアを通して聞けば、デジタルとはまた一味違った趣のある朗読に聞こえるはずだ。

 

※この朗読は「福山潤 プロフェッショナルトーク」特典付き限定書籍のカセットテープに収録されています。
※9月22日(水)正午から予約可能です。

 

 

 

■PROFILE
●福山潤 ふくやまじゅん
11 月 26 日生まれ、大阪府出身。 2007 年、初代声優アワード主演男優賞受賞。『無敵王トライゼノン』で初主演。代表作に『コードギアス 反逆のルルーシュ』(ルルーシュ・ランペルージ)、『吸血鬼すぐ死ぬ』(ドラルク)、『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』(スマット)、『Vivy -Fluorite Eye's Song-』(マツモト)、『暗殺教室』(殺せんせー)、『七つの大罪』(キング)など。近年はアーティストとしても活躍。