■内に秘めた「圧倒的な強さ」
極度の怖がりで自己評価が極端に低い善逸だが、眠ったときにだけ見せる圧倒的な強さは、この時点の炭治郎や伊之助すら上回るかもしれない。それに善逸の繰り出す技のカッコよさは、作中でも随一と言って良いレベルだ。
鬼のいる鼓屋敷に入ったとき、炭治郎とはぐれた善逸は小さな少年と二人きりになってしまう。鬼が現れた恐怖と、子どもを守らなければならない責任感の板挟みになり、善逸は気を失うように眠ってしまった。
その眠った善逸が繰り出した技こそ「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃(へきれきいっせん)」だ。
恐怖に震えていた善逸の気配が一変し、一瞬にして鬼の首を断ち切った圧巻の剣技の場面は衝撃的なシーンだった。ふだんのヘタレな姿と、眠ったときにだけ見せるカッコいい姿のギャップ……これぞ、まさに善逸の真骨頂と言えるだろう。
さらに善逸の代名詞でもある剣技「霹靂一閃」に、彼の人間的な本質が詰まっていると感じた理由についても触れておきたい。