■道具ひとつで世界が広がる

 まずは謎解きのボリューム。本作以降、リンクといえばこれ!という必殺技となった回転斬りの追加だけでなくさまざまなアクションが追加されたことにより、ダンジョンでの謎解きもかなり複雑化しました。

 初代作では敵を全滅させたり、所定の位置までブロックを押したりといった謎解きが主でしたが、物を担いで投げることができるようになったり、段差の概念が追加されたり、ダッシュで敵を倒しながら進めるようになったりとできることの幅が増えたため、ダンジョン探索の楽しさが跳ね上がりました。

入手したアイテムは基本的にそのダンジョンのボス戦で活用必至

 その分、落とし穴が多いダンジョンなどやはり難易度も高くなっていますが、かといってこれムズすぎだろ!というほどではなく、クリアしたプレイヤーでも失敗してしまうことがある程度の絶妙な難易度です。ボスの強さも含め、このバランスは本当にすごいです。(カメイワの仕様に関してはあれですが)

 そして、いまだにシリーズ屈指のダンジョン数を誇るそのボリュームも支持されています。マップ自体はそれほど大きくはないのですが、光と闇の2つの世界を行き来しながらクリアを目指すという形式になっているため、狭さをほとんど感じさせません。

 1つのダンジョンをクリアしていくごとにリンクのできることが増えていく、徐々に行ける世界が広がっていくという遊ぶ楽しさとストーリーがマッチしていて、「このダンジョンクリアしたら終わろう」と思っていても、いざクリアしたらもうちょっと遊んでいたいと思わせてくれる、そんなゼルダならではの楽しさを何度も味わえる仕様になっています。

 始めて闇の世界に行ったとき、ウサギになって何もできなくなり狼狽したのをよく覚えています。あのときの八方塞がりで、どうしたらいいんだ!?と奔走する感じは「ああ、ゼルダしてるなあ」と実感できました。

 みなさんもきっと「どうしたらいいのか分からなくなる」ゼルダ特有の思い出もあるとは思いますが、私はあのウサギになった瞬間が一番困りました。

■今でも十分遊べるスペックと配信環境

 ハートのうつわが登場するなど、ゼルダの確かな礎を節々に感じられる傑作である『神トラ』ですが、その人気と実力の高さは折り紙付きでスーファミだけでなく、ミニスーファミに収録されていたり、ニンテンドースイッチオンラインで遊べたり、ゲームボーイアドバンスでリメイクされていたりと遊ぶ環境は多岐にわたります。

 みなさんそれぞれの環境に合わせてこの機会にぜひ遊んでみてはいかがでしょうか? 「リンクのことをゼルダだと思っていた!」という初心者さんにも「入門編」としておすすめできる名作ですよ!

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