■『フォーゼ』で高岩成二の代役が決まり深夜に自宅訪問

 これは僕が高岩さんへインタビューをした際に高岩さんご本人から聞いたのですが、『仮面ライダーフォーゼ』の撮影で軽い怪我をしてしまい、浅井さんが高岩さんの代役を務めることになったときのお話。

 高岩さんがご自宅にいると、割と遅い時間に「ピンポ~ン」。誰だと思い玄関を開けると、そこにはお見舞いの品を持った浅井さん。「あの、明日出番なんですけど、どうすればいいでしょうか?」と。高岩さん「うーんとね、うーん、ちょっと一回入ろうか」高岩さんビックリ。電話口でよかったのにと。本当にまっすぐでヒーローが大好きで、一緒にやっていても圧がすごいそうです(笑)。

 このときのことについて高岩さんは昨年9月『仮面ライダーゼロワン』が始まったばかりの頃に「これぐらい若手で作品に圧を与えてくれるとうれしい、さらにそこに他の新人たちも食らいついていってほしい」とおっしゃっていたので、その一年後に、浅井さんが見事に『セイバー』で主役を勝ち取ったことを考えると震えますよね。並大抵の努力じゃ無理です。

 常に最高を求める浅井さん。戦隊とライダーの現場ではスーツの関係で表現の形や技術の面でだいぶ違うそうで、自分の求めるものに到達しないことのほうが多く、『ゼロワン』の撮影後に高岩さんにアドバイスをもらい、何とその場で泣いてしまったそう。まっすぐ!(泣く理由が分かるくらい高岩さんの言葉も素晴らしいんです! 詳しくは東映ヒーローMAX Vol.62を参照)

 高岩先輩からアドバイスをもらい道が開けた宏輔。後に憧れの仮面ライダーの主演を演じることになる。が、それはもう少し先のお話。[スーツアクター物語 36話 つづく]けっこう進みましたね。

『セイバー』で初めてバイクにまたがったときも泣きそうになるのが浅井さん。今まで敵ライダーや2号ライダーを務めていたためバイクがなく、やっと1号ライダーで念願のバイク。仮面ライダーと言えばバイクですからね。もうよかったね、うん、よかったよかった、宏輔よかったね。と母の気持ちになります(笑)。本当にヒーローが大好きな浅井さん。先輩たちに作品を見直して「あの振り向き方、泣きました!」と言い、先輩に気持ち悪いぞと言わせるくらい大好きなんです。

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