■対人プレイこそが真骨頂!

 本作は、ファミコンのゲームとしては珍しく最大4人までの同時プレイが可能となっています。大勢の人と一緒に遊ぶと、1人用とは比べものにならない“神ゲー”へと変貌する貴重なゲームでした。

 最大の4人で遊ぶには別売りのマルチタップが必要で、当時周囲にこの周辺機器を持っている人は少なかったのですが、2人同時プレイでも十分に盛り上がりました。まぁ2チームがタッグを組む「棒の上の玉割り競技」以外は、必然的に足の引っ張り合いになるんですけどね……。

棒の上の玉を先に割ったチームが勝ち! 味方が下でジャマするのがお約束

 ゲーム開始時、どの高校を使うかを選択可能で各校ごとに特徴が異なります。ゲームの説明書には「くにおくんのワンマンチーム」熱血高校、「格闘タイプを揃えたチーム」花園高校、「最強の力を持ったチーム」冷峰学園、「得意競技がはっきりしているチーム」各校連合チーム……と解説がありますが、はっきり言って冷峰学園の選手能力がズバ抜けています。

 俊足の「もちづき」は、速力が大事なクロスカントリーと障害部屋競争で無類の力を発揮し、「りゅういち」「りゅうじ」「こばやし」も他校のエース級の能力の持ち主。しかも「りゅういち」と「りゅうじ」は、最終の「勝ち抜き格闘大会」で凶悪なまでに効果的な蹴り技「龍尾嵐風脚」が使用可能。こちらは同メーカーの『ダブルドラゴン2』に登場する技です。それと「こばやし」の必殺技である「マッハチョップ」も対戦相手をハメることができるくらい、使い勝手の良い技でした。

冷峰のりゅういち、りゅうじが使う必殺技は凶悪な強さ!

 このように、あまりにも冷峰学園のメンバーが強すぎたことから、自分の周りでは同じくらいの腕前の友達と遊ぶときは、冷峰以外のチームから選ぶのが“暗黙の了解”になったのは言うまでもありません。

 ついでにこのゲームにはハメに近い技が多く、一方的にハメ殺すような執拗な攻撃が原因でケンカになり、しまいにはハメ技も禁止に。あと、ラストの「勝ち抜き格闘大会」で対戦相手を場外に落としてあっさり勝つのも、仲間内では“非人道的行為”と見なしていました。完全にローカルルールなんですけどね。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4